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森林インストラクター米倉久邦のシニアの星

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(47)地図と磁石
イラスト:工藤美和子

(47)地図と磁石

 登山は地図を広げるところから始まる。目標の山、その頂に行く予定のコースを地図の上でたどってみる。「歩きだしからきつい登りだな。手前のピークで少し下り、避難小屋で一休みだ」。どんな様子か、想像してみるのは楽しいし、頭の中のシミュレーションで心の準備もできる。

 地図には情報が満載されている。とはいえ、地図を読み解く術をおぼえなくては、役に立たない。登山に使う地図は国土地理院の縮尺2万5000分の1が基本である。広げてみると、細い線がグニャグニャといっぱいだ。等高線である。同じ線の所が標高が同じ。線の間隔は10メートルの標高差を表す。線が込んでいれば急斜面。線の間隔が広いと緩斜面。

 だが、やや専門的なこの地図は大きな本屋でないと手に入らない。中高年が楽しみながら登る山なら、普通の本屋に売っているガイド地図でいいだろう。こちらは5万分の1が多い。等高線の間隔は標高差20メートルだ。それに水場やお花畑の印もある。歩行時間も載っている。

 天気が良く、標識もしっかりしていれば、地図なしでも不便はない。でも、せっかくだから、休みの時には地図を広げて実際の地形と比べてみるといい。地図だけではよく分からなかった尾根と谷、がけが「ああ、これがそうか」と納得できる。本当に地図を読まなければならないときの訓練にもなる。実地で体得するのがいちばんだ。

 地図に付き物が磁石である。霧に巻かれて視界が10メートルもないというときもある。正しい方向に歩いているかどうかは、地図と磁石で分かるはずだ。磁石を使って自分がどこにいるかを地図上で特定もできる。おっくうがらずに、地図と磁石を取り出す習慣をつけたい。(米倉久邦、2004年2月記)


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