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(41)危険な「シャリバテ」
イラスト:工藤美和子

(41)危険な「シャリバテ」

 山の話で「シャリバテ」という言葉をご存じだろうか。歩いているうちに、急にひどい空腹感に襲われて、全身の力が抜けるようになる。登ろうにも足が上がらなくなってしまう。きちんとした食べ物(シャリ)をとらないで、激しいエネルギー消費をしたために血糖値が急激に下がって起こる。バテてしまう。そうなると気力もうせてほとんど行動できなくなる。危ない。

 山での食事は、バテないで快適に歩くためにおろそかにはできない。適当に持っていけばいいという考えは捨ててほしい。それに、一休みのときにつまむおやつや山頂での昼食は、山での最大の楽しみでもある。一日の行動を想定して、何を持っていくかを計画する。それもまた、楽しみの一つである。

 バテる原因は筋肉疲労。エネルギーが足りなくならないようにしっかりと栄養分をとっておかなければいけない。まず出かけるその日の朝。いつもならコーヒー1杯にトースト程度でも、山に行く日は別だ。

 腹持ちのするご飯やうどん、もちなどがお薦めである。これで昼まで歩くエネルギーを確保できる。歩き出せば、汗もかく。みそ汁やスープ、お茶で水分を十分にとっておくことも忘れてはいけない。普段よりがっちりしっかりと朝食をとることが、快適登山の第一歩と自覚することが大事である。

 とはいっても、朝からあまり脂っこいものは食べられない。でも、それでいい。比較的速くエネルギーに変わる炭水化物中心の食事が向いている。脂肪やタンパク質も良いエネルギー源だが、消化に時間がかかる。むしろ、山に出かける2、3日前に高タンパク、高脂肪の食物をとって筋肉に蓄えておく方がいい。(米倉久邦、2004年1月記)


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