

イラスト:工藤美和子
(40)ストックも使い方次第
ストックは持つべきか、持たざるべきか。意見は二つに分かれている。反対派は、持てば頼ってしまってかえってバランスを崩して危ない、伸縮型は知らぬ間に緩んで大転倒をする危険があるという。2本の足で確実に歩いた方が安全だと主張する。分からぬではない。
これに加勢するのが環境派だ。登山路の両側の貴重な植生が、ストックで突かれてダメージを受けているという。確かに歩いていると、高山植物がやられているところに出くわす。
だが、ストックも使い方で役に立つと思う。中高年は足腰が衰えている。ストックに体重をかけて支えることで、足の負担を軽くしてくれる。一歩ずつでは大したことはないが、長丁場となるとかなり違う。
しかし2本はいらない。ストックで両手がふさがっているのは、手を使って上り下りするようなときには、とても邪魔になる。ストックが木の根や岩に引っ掛かって危ない。縮めてザックに付ければいいのだが、実際は面倒でそんなことはしない。
ストックは1本で十分だ。軽いものがいい。重いと長時間だから腕が疲れる。伸び縮みするタイプがお薦めだ。スキーのストックで代用してもいいけれど、上りはやや短め、下りはやや長めにして使うという芸当はできない。
ただし、伸縮型は歩いているうちにだんだん緩んでくる。下りでストックに体重をかけたらガクンと縮まって頭から転げたというケースもある。小まめにチェックして締め直しておくのを忘れないようにしたい。
ストック使いのルールは簡単である。道端の草や木をやたらに突かないこと、横に持たないこと。後ろの人の鼻先にストックの先が来たら危険だ。(米倉久邦、2003年12月記)
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