

イラスト:工藤美和子
(26)靴の次はザックを買おう
山登りで靴の次に欠かせないのはザックである。ザック売り場へ移動だ。ここもさまざまな大きさ、形のザックが並んでいる。子細に観察すると、いろんな工夫がしてある。肩に背負うバンドも簡単に微調整ができる。画期的だ。いまのザックはすごい。機能性は抜群である。
若いときに背負っていたのはキスリングといわれた。横に長く黄土色でゴワゴワの生地で出来ていた。カニの甲羅に似ているので、キスリングを背中にした若者はカニ族と呼ばれた。これをうまく背負うには、なかなかのテクニックを必要とした。ザックを背負った姿を見ただけで、ベテランか初心者かすぐに分かったぐらいである。
いつのころからか、ザックは横型から縦型に進化し、実に便利になった。だが、それだからどれだっていいというわけにはいかない。とりあえず大きさをどうするか。どんな山に行くのか。いつごろ行くのか。どんな山行をするのか。それでザックの大小を決めなくてはならない。ザックの大きさは体積、つまりリットルで表示される。
厳冬期の北アルプスともなれば、テントも料理の道具も寝る支度も、みんな背負っていく。こうなると、ザックの大きさも最低でも50リットルはいる。山小屋に泊まっての旅ならば、荷物も減る。30―45リットルのザックで十分だろう。日帰りの山行なら、15―25リットル程度が目安である。
大は小を兼ねる。だが「ザックに余裕があると、あれこれ入れてしまい、重くなる。大きめのザックはおすすめできませんね」とモンベル広報の渡辺さんはいう。荷物は必要最小限に厳選する。その癖をつけるにも、山行に応じたザックを選ぶのがいい。入門編ということで、とりあえず30リットル前後のザックにしよう。(ジャーナリスト米倉久邦、2003年9月記)
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