

イラスト:工藤美和子
(23)自分だけの判断は控える
登山靴の棚の前に立つと、思わず目移りしてしまう。何といろいろあることか。経験がなければ、自分だけの判断で買うのは控えた方がいい。親切で信頼できそうな店員をつかまえることが最初にやることだ。
次は、どの程度の山行を目指しているかをはっきりと告げること。岩や氷を相手にするのはまだ早い。だが、しっかりと歩ける靴が欲しい。
いくつか薦められたものを履いてみる。用意の靴下を履いて靴に足を入れ、トントンとやってかかとを合わせる。それから前を合わせるのが基本だ。それで、かかとの部分に人さし指1本分の余裕があればいい。
フィット感を確かめる。「横幅が少し狭いかなぁ」「土踏まずが当たるぞ」「指先が詰まるような気がする」。さまざまな感触があるはずだ。日本人の足は、欧米の人に比べて「甲高・横広」だという。登山靴には欧州製が多いので注意が必要と思ってきた。「いや、最近は日本人のお客さんに合わせて、足型を日本人向きにして作っているので、アチラ製かどうかをそんなに気にしなくても大丈夫ですよ」。いまや日本人は大事なお客さんだ。欧米のメーカーも勉強している。
「やっぱりこれかな」と思うのがあったら、履いて店の中を歩き回ろう。お店の中には、小さいながらもお試し用にアップダウンのスロープを用意してくれているところもある。座ったままの感じで、「これに決めた」をやってはいけない。
ピッタリと思っても、あえて前後のサイズを試してみるのも忘れないでほしい。「イヤ、待てよ。こっちの方が…」ということがあるかもしれない。「コレ、かっこいいわ。これにしょ」もいけない。見た目にいいかどうかは二の次、足に合うことが第一である。(米倉久邦、2003年8月)
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