

イラスト:工藤美和子
(21)登山の主役は足
登山の主役は足だ。やはり道具選びの事始めは靴からということになる。試しに東京・恵比寿のモンベルをのぞいてみた。あるある。この店には36種類の登山用の靴が置いてあるという。こうなると、何となくぶらりというわけにはいかない。ズラリと並んだ靴の棚を前に迷うばかりだ。
ウオーキングやハイキング程度からマイナス30度にも耐える冬靴まで、種類は豊富だ。どんな山を目指すのか、的を絞ろう。「かなりのアップダウンのある山に行くけれど、雪と氷の冬山は敬遠しておきます」。とりあえずそんなところか。
やはり店は登山の専門店が望ましい。そういうところなら大概、靴選びの助けになるプロの店員がいるはずだ。決して安い買い物ではない。登山靴は丈夫にできているから、1度買えば長い付き合いになる。失敗はしたくない。そのためにも、何軒かの店をのぞいてみることが必要だ。納得のいく品ぞろえと信頼できそうな店員のいる店が見つかるだろう。
いろんな店が入っているショッピングモールで、あれこれとりとめもなく商品を置いている運動具店で登山靴を見た。バーゲンセールの値札に惑わされ、ちょっと足を入れただけで「まあ、いいか」と衝動買いをしてしまった。
これが失敗だった。いそいそと新しい靴を履いて山に行った。最初は「ウン、なかなかいいぞ」と足取りも軽くなったが、しばらくしたら左足の小指が圧迫されて痛くなった。時間がたてばたつほど、痛みは増してくる。もう、いけない。足取り重く下りてきた。こんな経験はしてほしくない。安物買いの銭失いだ。
楽しく快適に歩くために、登山靴は決定的に重要である。靴選びは慎重にいきたい。(米倉久邦、2003年8月記)
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