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地域再生大賞

 地方の疲弊を打破しようと取り組む団体の支援を目的に、地方新聞46紙と共同通信社が合同で2010年度から設けた。専門家でつくる選考委員会(委員長・岡本義行(おかもと・よしゆき)法政大大学院政策創造研究科長)が書類や現地審査にあたった。各新聞社と共同通信社は09年度から合同企画「地域再生」や、識者らと地方の問題を話し合う「地・宝・人(ち・ほう・じん)ネット」も始めている。

大賞

  • 広島県三次市
  • 過疎打開へ住宅提供 ブルーリバー
ブルーリバー
 「ブルーリバー」が建てた住宅で暮らす子どもらと遊ぶ出資した住民たち=1月、広島県三次市

 緩やかにひろがる棚田の一角に新しい2階建て住宅が並ぶ。中国山地にある広島県三次(みよし)市青河(あおが)地区。子育て中の若い夫婦の住まいだ。

 過疎化で地区の小学校の児童数が廃校基準の20人を割りそうになった。「このままでは地域が寂れる。学校を守ろう」と、地区の有志9人が退職金などから100万円ずつ出資し10年前、有限会社「ブルーリバー」を設立、賃貸住宅の建設を始めた。

 これまでに新築・改築した住宅は計10棟。電化型や水洗トイレを備え家賃は格安にし、10家族38人が住む。賃貸住宅を出て新居を建てるなど「永住」を決めた4家族22人もいる。地域に見守られ遊ぶ子どもたちに、若い夫婦は「子育ての負担が軽くなった」と喜ぶ。

 約500人の地区で新住民が10%を超す。小学校の児童数も4月から、移住家族の子ども13人を含め計25人と、現在より4人増える。建築費は行政に頼らず、借金や家賃収入で返済する計画だ。

 瀬戸昇三(せと・しょうぞう)社長 (84) は「学校は維持され、移住者が行事に参加し地域は元気をもらう。それが利益」と話す。ソフト重視の小さく戦略的な地域開発が大きな成果を生んだ。

準大賞

  • 高知県四万十市
  • 自分たちで地域を守る 大宮産業
大宮産業
 地元の人たちが買い物に訪れる大宮産業の売店=2011年11月、高知県四万十市

 「自分たちで地域を守ろう」。高知県四万十市の大宮産業は、住民の危機感から生まれた。きっかけは、唯一日用品やガソリンを販売していた農協出張所の閉鎖。四万十川流域の山あいにある大宮地区約140世帯にとって、暮らしが揺らぎかねない事態だった。

 大宮地区は、最も近い市街地からも数十キロ離れている。公共交通機関の便が良くないだけに、ガソリンを手に入れにくくなれば、生活の影響は大きい。代替店舗の進出はなく、出張所の業務を引き継ぐ受け皿を、住民自らつくることを決めた。

 大宮産業には、地区住民のほとんどが出資し株主に名を連ねた。ガソリンスタンドや売店を柱とする事業は、住民の支えもあって設立以来5期連続で黒字だ。新たな収入源にしようと、特産の「大宮米」を売り込もうと営業にも力が入る。

 準大賞に竹葉伝(たけば・つたえ)社長(67)は「人口は減っていく一方だが、地域の維持のために、今後も一層の努力をしなければならない」と決意を話した。

  • 仙台市
  • 杜の都に多彩な響き 定禅寺ストリートジャズフェスティバル実行委員会
定禅寺ストリートジャズフェスティバル実行委員会
 迫力ある生演奏が身近に楽しめる「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」=2011年9月、仙台市

 「緑の下で生演奏が楽しめたらいいね」。1991年、音楽家や商店主らが始めた仙台の「定禅寺ストリートジャズフェスティバル」。今や「杜(もり)の都」に、80万人近い聴衆が集う国内有数の音楽イベントに成長した。

 運営費は広くカンパで賄い、特定の企業や行政に頼らない。プロ、アマ問わず演奏家からは出演料をもらう。公園やビルの谷間の広場など40カ所以上で、ジャズ中心にロックから尺八まで多彩な演奏が響く。

 21回目の昨年は東日本大震災で開催が危ぶまれたが、過去最多だった2010年並みの747団体が参加、盛況だった。

 規模が拡大しても市民手づくりの運営は不変だ。呼び掛け人でもあるフェスティバル実行委員長のピアノ演奏家榊原光裕(さかきばら・みつひろ)さん(55)は「ジャンルを問わずプロ、アマ平等。営利目的ではなく、市民が参加し楽しむ趣旨が社会に受け入れられたのでは」と話している。

ブロック賞

  • 長崎県松浦市
  • <九州・沖縄> まつうら党交流公社

 人口減少が目立つ農漁村地域で、中高生らを対象に体験型修学旅行事業を展開する長崎県松浦市の一般社団法人。官民協働による「体験交流」を通じ、地域の生活文化に触れる機会を提供している。指導員の育成や安全対策の講習にも取り組み、離島など自然の中で体験できるプログラム数は地引き網漁や和牛飼育など90に上る。2010年度の受け入れ数は120校、2万人を超えた。担当者は「特に漁業体験が好評。民泊需要は今後も拡大する」と強調する。

  • 和歌山県田辺市
  • <近畿> 秋津野

 旧財産区の資産を基に1957年設立した社団法人が前身。農村地帯だったが宅地化で新住民も増えたため、幅広い団体が参加し地域を考える取り組みを開始。農業法人、秋津野は2007年、300人近い新旧住民が出資して生まれた。特産のミカンを中心にした直売所や旧小学校校舎を活用した宿舎、レストランを展開、年間売上高は計2億円を超えるまでに成長。住民の雇用にもつながり、地域でのビジネスが軌道に乗りつつある。遊休農地の活用や新規就農者の育成も手掛け「考える農業」(玉井常貴・副社長)を進めている。

  • 浜松市
  • <東海・北陸> 夢未来くんま

 人口約700人で、林業と茶栽培が盛んな浜松市天竜区熊地区。人口減少や高齢化の進行などの課題を抱える中、「村を元気づけよう」と1986年に全戸に呼び掛け、活性化協議会を設立。2000年にNPO法人となった。活動拠点の一つが道の駅「くんま水車の里」で、主婦らが地元食材などを使った料理を提供したり、農産加工品を販売。収益を活用してお年寄りのデイサービスや棚田の保全活動を行っている。大石顥理事長は「今後は少しずつ若者らに引き継いでいきたい」と話している。

  • 栃木県那珂川町
  • <関東・甲信越> 那珂川町里山温泉トラフグ研究会

 閉鎖されたスイミングスクールのプールや廃校となった小学校に設置されたいけすで、トラフグが泳ぐ。地元の企業や行政、学識者でつくる同研究会は「海のない栃木県から高級魚を」と、温泉を利用したトラフグ養殖に取り組んできた。温泉水を使うことで冬場でも水温管理を徹底でき、一年を通じて出荷できるのが強みだ。2008年度に稚魚100匹で試験的に始めた養殖を、10年度には事業化にこぎ着けた。現在1万5000匹を飼育し、地元の旅館や飲食店に出荷している。

  • 福島県檜枝岐村
  • <北海道・東北> 千葉之家花駒座

 国立公園尾瀬ケ原の「玄関口」に残る農民歌舞伎。村民でつくる千葉之家花駒座が公演する春秋の祭礼奉納などに、毎回村の人口の倍近い千人以上の観客が集まる。江戸時代当時の様式を伝え、研究者の評価も高い。舞台となるかやぶき屋根の舞殿は国指定有形民俗文化財。杉林の間に階段状に石を並べた野外円形劇場風の客席と合わせ、独特の雰囲気を醸す。団員は総勢30人。役場職員や消防団員、主婦に小中学生。出し物によっては実の三世代が共演することもある。農閑期の練習で歴史と伝統の維持に励む。村の絆を固くする「心の宝」でもある。

特別賞

  • 佐賀県基山町
  • きびっとの杜

 農村の高齢化が進む中、荒廃した里山の再生に取り組む佐賀県基山町のNPO法人。2005年に設立。限界集落を復活させる試みとして、定年退職した住民を中心にボランティアで、休耕地の整備や桜の植樹などに乗り出している。農産物を地酒や食用油などに商品化して販売し、地域産業の活性化も図る。町は福岡県境に位置し、新興住宅街も混在しており、都市部と農村部を結ぶ活動ともいえる。内山十郎理事長は「若い世代をいかに取り込むかが今後の課題」と話している。

  • 福井県越前市
  • 水辺と生き物を守る農家と市民の会

 福井県越前市の山間地、白山・坂口地区の農家や住民らを中心に、人と生き物が共生できる元気な里山づくりを目指して2006年に発足した。同地区は、豊かな自然に囲まれ、絶滅危惧種アベサンショウウオをはじめ、ゲンゴロウなど希少生物が生息している。渡り鳥のルートに当たり、「約40年前に飛来した特別天然記念物コウノトリを呼び戻す」(堀江照夫会長)環境保全活動を展開。内外から活動の参加者を募り、09年から無農薬・無化学肥料の米作りも始めた。

  • 山梨県富士河口湖町
  • 富士山河口湖音楽祭実行委員会

 本拠は古代ローマ劇場を模した3千人収容の半円形巨大劇場。移動式屋根が開くと、舞台奥正面に雄大な富士山が現れる。その眺めは圧巻だ。湖のほとりに建つ小ホールも使った夏の音楽祭は2011年で10回目に。運営にもかかわる著名指揮者佐渡裕氏の指揮による大曲や、有望な若手演奏家による室内楽がリゾート客を楽しませる。もう一つの大きな特徴が「地元参加型」。県内選抜中学生の吹奏楽演奏のほか、会場案内や舞台設営などの運営を住民ボランティアが担う。住民主導の国際的音楽祭を目標に実績を重ねている。

  • 福島県浪江町・二本松市に避難
  • 浪江焼麺太国

 極太麺に安価なモヤシ、豚肉入りのソース味。労働者のための腹持ちのいい地元の味が、地域おこしの名物に躍り出た。2011年11月、兵庫県姫路市で開かれたB級グルメの祭典で4位入賞。その陰に専門企業と共同開発したソース、太麺を効率的に焼き上げられる厚みのある鉄板の使用といった工夫があった。東日本大震災と原発事故で、町は役場ごと避難を余儀なくされる。離ればなれになった町民は、焼麺太国のイベントで再会を喜び近況を語り合う。町民をつなぎ復興のよりどころになっている。

  • 岩手県遠野市
  • 遠野まごころネット

 岩手県の内陸部にある遠野市は、東日本大震災で甚大な被害を受けた釜石市や陸前高田市、大槌町など沿岸部のまちへ向かう交通の要衝。まごころネットは、復旧・復興に全国から駆けつけたボランティアの受け入れ拠点として、力を尽くしている。設立を呼び掛けたのは地元の有志。行政や社会福祉協議会とも連携し、被災者のニーズを的確にくみ取り、効率的な支援活動を展開した。2011年7月にはNPO法人となり、復興イベントの開催など活動の幅を広げている。

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