47NEWS >  地域ニュース >  地域再生 >  地域再生 ただいま活動中! > 不思議な石の音、地域の資源に

不思議な石の音、地域の資源に

鳴り石の浜プロジェクト(鳥取県琴浦町、第4回優秀賞)

日本海に沈む美しい夕日も人々をひきつける日本海に沈む美しい夕日も人々をひきつける

 海に向かって細い道をたどって進み、視界が開けたとたん、石だらけの浜が目に飛び込んできた。誰かが集めたかのような大小さまざまな石が重なり合い、一面に広がっている。この石が波に洗われると、ぶつかり合ってゴトゴトと音を立てる。「鳴り石の浜」と呼ばれる不思議な光景を、地元グループが〝再発見〟し、多くの人を引きつける地域資源に育てようと奮闘が続いている。

 ▽さまざまな人とのつながりからアイデアが

 日本海に面した鳥取県中部の琴浦町。地元でもあまり知られていなかった浜をアピールしようと、建設会社社長、馬野慎一郎さんがリーダー、自動車販売会社社長、上田啓悟さんがサブリーダーとなり「鳴り石の浜プロジェクト」を結成、活動を始めた。
 2012年に近くを走る国道沿いに石を積み重ねた塔のモニュメントをつくったり、浜への歩道や展望台を設けたりして、気軽に訪ねてもらえるように周辺を整備。その後も、空き店舗を改装してカフェを開き、研修会やパーティーなどへの利用も呼び掛けた。地元の主婦グループが作るランチの提供も始めた。
 こうした活動の多くは、メンバーの手づくりだ。広く多くの人に参加してもらおうと、鳴り石の浜プロジェクトはNPO法人などに法人化はせず、任意団体として運営を続ける。メンバーも固定化せずに、消防団や自治会、フェイスブックなどを通じて呼び掛け、参加を募る。「さまざまな人が集まってくれれば、新しいアイデアも生まれる」と、上田さんは話す。敷居を低くしたことで、町内外から20~80代の幅広い年齢層が参加し、活動を支えるようになった。

  • 夏になると海と空の青をバックにヒマワリが開く
  • 鳴り石の下から響く伏流水の音を聞く馬野さん(右)と上田さん

 ▽地域づくりの動きと連携目指す

 震災復興のシンボルとなった「はるかのひまわり」を岩手県の被災地から譲り受けて栽培も始めた。潮風や波に直撃され、枯れかけた危機を乗り越え、夏には青い海と空をバックに花が開く。2000本のヒマワリが海辺に咲く風景は新たな魅力となり、写真愛好家らが訪れるようになった。
 旅行雑誌に紹介されるなど、鳴り石の浜の知名度は上がってきた。行政も、同プロジェクトの活動に関心を寄せる。埋もれていた地域資源は、地道な活動を重ねてきた結果、スポットが当たるようになった。
 「活動を始めたころに比べると、地元の琴浦町に地域づくりの動きが出てきた」と、馬野さんは話す。同プロジェクトとは別に、江戸時代から残る港町の街並みや史跡を生かそうと、さまざまな取り組みが始まっている。こうした動きがつながって「町全体が元気になれば」と夢を描く。
 地元の幼稚園や小学校の子どもたちが、鳴り石の浜を学習の場にする機会も増えた。「自分たちの活動が地域とつながってきたことがうれしい」と、上田さんは手応えを深める。「楽しみながら背伸びせずにやってきた」と振り返り、息長く続けていく構えだ。

地域再生対象はこちらへ