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地域再生列島ネットから

 地方が抱える問題を話し合うため、全国の地方新聞社と共同通信社が識者らとつくった。街づくりなどに取り組むNPOの代表者や研究者、行政担当者ら多様な専門を持つ47人で構成する。毎月、テーマを決めてメールで意見交換を進め、インターネット上の「シンクタンク」を目指す。

番外編

地域で決定する仕組みを 分権、政権選択の鍵に

 全国の地方新聞と共同通信社が識者らとつくる「地域再生列島ネット」は総選挙の焦点の一つ、地方の疲弊をテーマに意見交換した。財政悪化や市街 地の沈滞は国主導の政策が招いたとして、地域のことは地域で決める仕組みにする地方分権の実現が急務だとの意見が相次いだ。分権は、政権選択を左右する重 要な鍵となりそうだ。

 

▽自治体の悲鳴

 「最大の失敗は地方交付税の削減」(河内山哲朗(こうちやま・てつろう)・前山口県柳井市長)、 「財源が減り疲弊がより進んだ」(田中幹夫(たなか・みきお)・富山県南砺市長)—自治体トップは、小泉政権時代の国・地方財政の三位一体改革を批判し た。国の補助金を減らし地方へ3兆円の税源を移譲。しかし地方の裁量は広がらず、自治体の財源不足を補う地方交付税は5兆円以上削減された。
 自治体の現場でも「家を修繕していたら津波に襲われた」(松田千春(まつだ・ちはる)・滋賀県企画調整課副主幹)、都市と地方の不均衡を抑制する政治が「逆の政策を進めた」(都竹淳也(つづく・じゅんや)・岐阜県商工政策課課長補佐)と厳しい指摘が噴出した。
 規制緩和もやり玉に。出店面積などで自治体との調整を定めた大規模小売店舗法(大店法)を廃止し規制を緩和。郊外の大型店が増え、中心市街地は「シャッ ター通り化」(東朋治(あずま・ともはる)・神戸ながたTMO総括マネジャー)が進み「地方の中小小売業にとどめを刺した」(真淵智子(まぶち・とも こ)・伊香保おかめ堂本舗取締役=群馬)との批判が寄せられた。

 

▽一国二制度も

 木村陽子(きむら・ようこ)・地方財政審議会委員は三位一体改革で社会保障制度見直しに参加した際「官邸が耳を傾けたのは霞が関の官僚たちだけ」といい「なぜ、地方団体に意見を求めないのかと悔しい思いをした」と、「国民目線の不在」を指摘した。
 今後は「地域の声を吸い上げバックアップする仕組み」(熊紀三夫(くま・きみお)・高松丸亀町商店街振興組合専務理事)や、「市民発の事業に目を」(野口比呂美(のぐち・ひろみ)やまがた育児サークルランド代表)など、地域主導への転換を求める声が相次ぐ。「一国二制度も了とする大胆な地方分権」(阿部欣司(あべ・きんじ)・北海道電力地域担当部長)も検討すべきだとした。
 同時に「改革意識が希薄だった地方」(吉井仁美(よしい・ひとみ)・八戸市立水産科学館館長=青森)にも、疲弊の原因はあるとの声も上がった。白戸洋(しらと・ひろし)・松本大教授(長野)は、経済基盤が揺らぐ地方の支援は効 率性と相いれない点もあるとし「貧しさを共有しても地域を守るのか。(各党の)マニフェストに答えはない」と話す。
 各政党に対しては「私たちに甘い言葉はいらない。マニフェストをどう成果に結び付けるか、具体的に伝える努力を」(真淵さん)と注文する。
 地方は「税源と権限のマッチした分権」(高橋泰子(たかはし・やすこ)・緑と水の連絡会議理事長=島根)の進展への期待をこめて、総選挙を見つめている。
 意見交換は7月末から8月上旬にかけ、電子メールで行った。

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