47NEWS >  地域ニュース >  これがイチオシ!地域再生 >  「これがイチオシ!2―地域再生」 第9部「工夫は無限」 【03】"ガルパン旋風"が席巻 アニメ、被災の町に活気

これがイチオシ!地域再生

「これがイチオシ!2―地域再生」 第9部「工夫は無限」

矢印バックナンバー

【03】

"ガルパン旋風"が席巻 アニメ、被災の町に活気

 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた茨城県 大洗町 (おおあらいまち) 。この小さな港町を舞台にしたアニメ「ガールズ&パンツァー」(ガルパン)の人気に火が付き、商店街に"ガルパン旋風"が巻き起こっている。

20141216ibarakimap.jpg「関東近辺のファンは毎週、店に来るよ」。精肉店「 鳥孝 (とりこう) 商店」の 稲石豊 (いないし・ゆたか) 社長(51)は笑う。店頭にはガルパンのキャラクターと稲石社長の等身大パネルが仲良く飾られていた。

 ガルパンは、「戦車道」という架空の武道に挑む女子高校生の物語で、大洗町の商店街や観光名所を再現した町並みを戦車が爆走するアニメだ。

 商店街にはキャラクターパネル54枚が置かれ、あまたのファンが"聖地巡礼"と称して町を繰り返し訪問。今年7月には店主らが"店の顔"も売り込もうと、自身のパネルを制作した。野村総合研究所によると、昨年度のガルパン目的の観光客は延べ15万9千人で、経済効果は7億2100万円に上る。

町のあちこちにアニメ「ガールズ&パンツァー」のキャラクターや商店主のパネルが並ぶ=茨城県大洗町(了)

 店主らのおもてなしに心を打たれ、定住を決めたファンまでいる。茨城県取手市から移住した 松沢忠幸 (まつざわ・ただゆき) さん(54)。「最初は聖地巡礼が目的だったが、人の温かさが一番の魅力になった」と振り返る。給食センターの配送業務に就き、週末にはガルパンのイベントや商店の手助けに奔走する。「いつも何かしら手伝っているよ」と満足げに話した。

 アニメ制作会社と町の橋渡し役となった、「Oaraiクリエイティブマネジメント」の 常盤良彦 (ときわ・よしひこ) 社長(44)は「ガルパンは町に小さな文化を築き上げた」と評する。震災復興を掲げる町に、活気が戻ってきた。(茨城新聞社、文と写真・小野寺晋平)

 【茨城新聞社】

参加新聞社
もうひとおし

魅力もっと発信を

大洗町の店主らはガルパンファンの印象について、「礼儀正しい」と口をそろえる。私もファンへの取材を重ね、そう思うようになった。コスプレで商店街を歩き、写真を撮りまくる―。町を楽しみ、魅力をもっともっと発信してほしい。(茨城新聞社・小野寺晋平)