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これがイチオシ!地域再生

「これがイチオシ!2―地域再生」 第9部「工夫は無限」

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【02】

古代文字で観光客つなぐ 蔵、ラーメンに続く柱に

「なんて読むのかな」「ぼく分かった!」―。福島県北西部、蔵とラーメンで知られる喜多方市の商店街。「古代文字」が刻まれた木製看板の前で子どもや観光客が立ち止まり会話を交わす。市民有志の「喜多方を漢字のまちにする会」= 上野昌宏 (うえの・まさひろ) 会長(37)=の活動から生まれた光景だ。

20141216minyumap.jpg取り組みが始まったのは2009年。県喜多方建設事務所が呼び掛けた地域づくり懇談会の中で 篆刻 (てんこく) 家、 高橋政巳 (たかはし・まさみ) さん(67)=喜多方を漢字のまちにする会顧問=らから、漢字を生かしたまちづくりという一風変わったアイデアが飛び出した。

 手始めに漢字の原形となった約3千年前の中国の古代文字をデザインした木製看板を旅館など7カ所に掲げた。「物珍しさから写真を撮る観光客が多く会話のきっかけになる」と評判を呼び、今では行政機関を含め、市内の200カ所以上に看板が掲げられている。

 「漢字のまちづくり」は今年2月、観光庁の観光地コンテストで、全国78地域の中から総合1位に選ばれた。活動は市民漢字ガイド育成や古代文字看板を巡るミステリーウオーク旅行など着実に広がっている。

古代文字看板を巡るミステリーウオークを体験する小学生たち=9月、福島県喜多方市

 将来の最大の目標は、東京電力福島第1原発事故後に激減した教育旅行の呼び戻しだ。教育的な素材としても期待されており、地元の小学校では、古代文字クイズなどにも取り組んでいる。

 高橋さんは「地元の誰もが漢字のプロになって初めて、まちづくりが完成する」と話す。どこにでもある漢字による人材育成が、どこにもないまちづくりにつながっていく。(福島民友新聞社、文と写真・加藤邦高)

 【福島民友新聞社】

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歴史や物語にも関心

高橋政巳 (たかはし・まさみ) さんのギャラリー「 楽篆 (らくてん) 工房」を訪れると、自分の名前を古代文字で書いてもらえる。成り立ちや込められた願いまで教えてくれるので、訪れた人は、きっとほかの漢字の歴史や物語も知りたくなるはずだ。(福島民友新聞社・加藤邦高)