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これがイチオシ!地域再生

「これがイチオシ!2―地域再生」 第9部「工夫は無限」

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【01】

いにしえの街道、再評価 ウオーキングなど活用

 日本の原風景が残る奥会津地方。人の手が十分に行き届かない山林の中を分け入るように一本の古道が通る。かつて福島県会津若松市から同県只見町までを最短距離でつないだ「銀山街道」。再び光を当て、地域活性化につなげようと模索する地元の動きが熱を帯びている。

20141216monpomap.jpg福島県三島町のNPO法人「わくわく奥会津.COM」理事長の 五十嵐政人 (いがらし・まさと) さん(61)は銀山街道を先人が残した資源だと捉える。「峠の麓を拠点に温泉や郷土食などを生かして人を呼び込みたい」と峠のウオーキングと組み合わせた事業の構想を練る。

 銀山街道の総延長は約72キロ。道中には柳津町の銀山峠、三島町の石神峠、三島町から昭和村へ抜ける美女峠、昭和村と只見町をつなぐ吉尾峠の四つの峠道がある。江戸時代には人の往来や、塩やカラムシ、繭などの運搬が盛んだった。

 現在の街道はほとんどが県道として残っているが、峠道は車の通行ができない。2012年から地元住民が県と協力し、各峠で道をふさぐ木の根の撤去やぬかるみの解消などの整備を始めた。五十嵐さんらは今年、石神峠で約20年ぶりの草刈りを行い、いにしえの道をまた一つ復活させた。

石神峠の道の状態を確認する五十嵐政人さん(左端)=福島県三島町(了)

 今年3月に銀山、美女、吉尾の3峠の活用に取り組んできた三つの住民グループが手を取り合い、「銀山街道を活用して地域を元気にする会」を結成した。10月には街道を走破する初のロングトレイルを開催した。元気にする会事務局を務める五十嵐さんは「街道は人の心もつなぐ。過疎化など共通の問題を抱える近隣町村が連携して古里に活力を生みたい」と語る。一本の道が地域再生の象徴となる。(福島民報社、文と写真・佐藤庄太)

 【福島民報社】

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眠る宝掘り出す

銀山街道を活用した地域おこしは、ないものねだりをせずに地域に眠る宝を掘り起こす取り組みだ。古里の歴史を知る作業は住民の郷土愛の醸成にもつながる。継続、発展させるためには行政を含め地域全体にいかに浸透させるかが鍵となる。(福島民報社・佐藤庄太)