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【04】

地域の文化に自信を 俳人、黛まどかさんに聞く

 「景観の美しさと引き換えに、多少の不便さや危険は受け入れる」。パリに滞在したとき多くのフランス人から聞いた言葉に、まちへの誇りを感じた。日本にもフランスに負けない文化があるけれど、そんな自覚や自信はないように思う。

 地域を訪ねると「何もないから」と言われる。でも俳句を始めた人から「自分のまちを『俳句の目』で見ると、宝の山だった」という言葉を聞き、気付きを与えてくれる俳句の力を再認識した。

 俳句は五七五で自然を詠むもの。表現をしようと思うと、漫然とものごとを見なくなり、何かをとらえようと五感のアンテナが立ち、感性が研ぎ澄まされてくる。季語を覚え、言葉を知ると見えてくるものも増える。「俳句の目」で見ることは、土地の魅力の掘り起こしに直結すると思う。

「自分たちのまちの魅力が何かを自覚し、プライドを持って守っていくことが大切だと思う」と話す黛まどかさん
 

 私も古里には何もないと思ってきたけれど、年齢を重ねるごとに良さが見えてくるようになった。家の窓を開けると自然豊かで季語があふれ、暮らしには安心・安全がある。田舎の密なコミュニティーは煩わしさの半面、安心感がある。今の世の中、どれだけ尊いことかと思うようになった。

 世界中でグローバル化が急速に進み、無自覚なままのみ込まれそうになっている。こんな時代だからこそ、多種多様なローカルは貴重で、独自の魅力になると思う。

 地方には都市にない力や、日本が日本らしくあるための力が残っている。失ったローカルなものは二度と戻ってこない。自分たちのまちの魅力が何かを自覚し、プライドを持って守っていくことが大切だと思う。大事な時期を迎えているのではないか。(共同通信社、聞き手・鈴木淳子)

 【共同通信社】

共同通信
略歴

黛まどかさん

黛まどかさん(まゆずみ・まどか)62年神奈川県生まれ。94年に角川俳句賞奨励賞、2002年に山本健吉文学賞を受賞。10年4月から1年間、文化庁の文化交流使としてパリを拠点に活動。オペラの台本執筆や国立新美術館の評議員など幅広く活躍している。