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これがイチオシ!地域再生

第19部 「新たな着想で」 見方次第で資源に

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【03】

茶わんで奏でるメロディー 有田焼の良さ、音でPR

 何の変哲もない、普段使いの茶わんが木琴用のマレット(ばち)ではじかれ、優しい響きを奏でる。大小さまざまな磁器が織りなす澄んだメロディーに、聞き入るお年寄りの表情もほっと和んだ。

 日本で初めて磁器が焼かれた佐賀県有田町。2016年に創業400年を迎える有田焼の歴史と伝統技術を「音」で全国に伝えようと、演奏されているのが茶わんを使った「碗琴(わんきん)」。1300度の高温で焼かれた磁器はレースを巻いたマレットではじいても割れない。20140115sagamap.JPG

 中心となって活躍するのが有田観光協会事務局長の筒井孝司(つつい・たかし)さん(62)。
02年から演奏会を続けている。姉妹都市を結んでいる西洋磁器発祥の地・ドイツのマイセン市を訪れた際、街中に「音」があふれていたことに触発され、昭和20~30年代に余興で楽しまれていた「お茶わん演奏」の復活を思い立った。

 当時使われていた茶わん14個を譲り受けた。さらに、何千もの有田焼の中から、オリジナルにはなかった半音を出せる茶わんを探し出し、現在は31個で2オクターブ半の音階を奏でる。地元の民謡から童謡、クラシックまで多彩なレパートリーを誇る演奏会は国内外で約400回を数えた。 

透き通った音色で魅了する筒井孝司さんの演奏会=佐賀県武雄市
 

 筒井さんの活動に触発され、古田秀之(ふるた・ひでゆき)さん(44)ら4人によるアンサンブル「有田碗琴楽会(ありたわんきんがっかい)」も生まれた。テーブルに茶わんをそのまま並べる筒井さんのスタイルに対し、楽会は固定した茶わん25個(2オクターブ分)を、鐘をたたくように演奏するのが特徴だ。

 「音を通じて有田焼に興味を持ってもらいたい」―。互いに個性を競いながらも、碗琴にかける情熱は同じだ。(佐賀新聞社、文と写真・木原通代)

 【佐賀新聞社】

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もうひとおし

いい音は技術の証し

 有田焼には「めおとし」と呼ばれる検品方法がある。焼き上がった品を一つ一つはじいて、音の響きでよく焼けているか、ひびが入っていないかを判断する。有田焼のいい音は、1300度の高温で完璧に焼き上げた技術の証しといえる。(佐賀新聞社・木原通代)