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これがイチオシ!地域再生

第19部 「新たな着想で」 見方次第で資源に

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【01】

現代芸術でまちづくり 休業ホテルも作品に

 青森県十和田(とわだ)市は、アートを生かしたまちづくりに取り組んでいる。2008年に開館した市現代美術館が推進役となり、現代アート作品を館内に展示するだけでなく、その集客力を活用して商店街や観光施設との交流事業を展開する。

 20140115tooumap.JPG旅行形態の変化や東日本大震災により、観光客の減少に悩む同市の十和田湖や奥入瀬(おいらせ)渓流周辺の温泉街でも、アートを地域振興と集客につなげようという試みが始まった。

 13年9月下旬から2カ月間開かれた「十和田奥入瀬芸術祭」では休業ホテルや遊覧船、旧家などを会場に展示とゼミナール、音楽会などを繰り広げ、延べ6万8千人の入場者、参加者を集めた。

 渓流に近い山腹に立つ休業ホテル「水産保養所」も主会場の一つとなった。写真家志賀理江子(しが・りえこ)さんら3組のアーティストが内装を取り去り、沢水を引いて湖や滝をつくるなど、時とともに荒廃した空間を作品にした。

 他の芸術祭のように「もの」としての作品はそれほど多くない。アーティストが休業施設それ自体を作品化し、普段は見えにくい地域の課題を明らかにする一方、それまでとは違った地域の魅力や可能性も指し示した。

 岡本太郎の遺作「河神」(右奥)の前で行われた音楽祭=青森県十和田市

 それらを通して住民の自発的な行動を促したいとの思いも、芸術祭にはあった。総合プロデューサー役を務めた現代美術館の藤浩志(ふじ・ひろし)副館長(53)は「奥入瀬は今のままでもいいけれど、こういう在り方もあるというアーティストなりの答えは出せた」と振り返る。

 同市は今後、奥入瀬地区の活性化基本計画を策定し、美術館と連携した観光振興に本腰を入れる。(東奥日報社、文と写真・三浦博史)

 【東奥日報社】

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住民が魅力発見を

 十和田市のアートを生かしたまちづくり「アーツ・トワダ」は、地元住民の参加が鍵。アーティストや作品に触れることで、それまでとは違った地域の魅力を見つけられるかが大事になる。市現代美術館には、その仲介役を期待したい。(東奥日報社・三浦博史)