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これがイチオシ!地域再生

第18部 「明日を開く」 独自の着想で勝負

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【04】

離れた人の思いも大事に 作家、有川浩さんに聞く

 身近に当たり前にあるものの価値や、人の大切さに気づくのは難しいもの。私が古里・高知の良さに気づいたのは、大学進学で地元を離れて関西で暮らし始めてからだ。

 兵庫県の山間部にドライブに出かけたとき、都会では見ることができなくなっていたレンゲ畑を見つけた。子どもの頃から見ていたはずの風景だったが、バラの花束のような豪華さはないけれど、お金では買うことができない貴重なものだとあらためて分かった。

 地元の人は、あまりにも日常的なものであるため、価値に気づいていないことは多い。そんな人たちに、自分たちが持っているものの価値を知ってほしいとの願いを込めて書いた小説が「県庁おもてなし課」だ。

インタビューに答える作家の有川浩さん
 

 地域おこしで気づきは大切なことだが、一番の基本は人を大事にすることだと思う。地元で暮らしている人だけでなく、離れて暮らしている人も地域にとっては貴重な財産。誇るべき人材が地元にも、地元出身者の中にもいるはずだが、目を向けられているだろうか。

 地元を離れても、親や友人など大事な人がいる古里のために何かしたいと思う気持ちは誰もが持っている。でも、気持ちを形にしようとした時、思いがかみ合わず、残念な結果になることもある。そのため、古里と距離を置いてしまう人もいる。同じ古里を持つ人たちなのに、不幸なことだ。

 自分が生まれ、大事な人も住んでいる古里を嫌いな人はいないと思う。古里を愛する人たちが、お互いに敬意を持ち合って、より良いものや場所を目指していける関係を築くことが大切ではないだろうか。(共同通信社、聞き手・鈴木淳子)

 【共同通信社】

共同通信
略歴

有川浩さん

有川 浩(ありかわ・ひろ)さん 高知市生まれ。「電撃小説大賞」の大賞受賞作「塩の街」で2004年、作家デビュー。「図書館戦争」「阪急電車」「県庁おもてなし課」など多くの作品を送り出す。高知県の観光特使も務めている。