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これがイチオシ!地域再生

第18部 「明日を開く」 独自の着想で勝負

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【02】

城下町に演劇文化を まち歩きと相乗効果も

 白壁に京格子の町屋が立ち並ぶ城下町に虫の音が聞こえ始めるころ、集落はかつての栄華を取り戻したかのようなにぎわいに包まれる。鳥取市鹿野町で初秋に開かれる演劇祭は、地域を巻き込んだ"まちぶら"要素が奏功。住民団体との連携も活発になり、発信や定着が困難とされる地方で演劇文化が育ちつつある。

 20131219tottorimap.JPG演劇祭を主催するのはNPO法人「鳥の劇場」。首都圏で演劇活動をしていた中島諒人(なかしま・まこと)代表理事(47)が、コミュニティーに根付いている欧州の演劇文化に感銘を受け、2006年に設立した。廃校の小学校と幼稚園の体育館を活用。団体と同名の「鳥の劇場」を整備した。

 創作演劇の披露や小学校での出張ワークショップなど草の根的な活動を展開し、舞台芸術の楽しさを伝える。中島代表は「自然豊かな地で、金もうけばかりでなく何かぼんやり考える場になれば」と、地方における演劇文化の意義を強調する。

 

小学校で演劇指導をする「鳥の劇場」の団員たち=鳥取市気高町
 毎年9月の週末と祝日に行う演劇祭は、今では1日千人以上が訪れる恒例イベントになった。人気の秘密はまち歩きだ。期間中だけ空き家や民家の土間を飲食、雑貨などのショップとして活用する計画を、まちづくりに取り組むNPO法人「いんしゅう鹿野まちづくり協議会」に提案。同協議会が出店者を募るなど役割分担しながら、劇場を中心に地域を周遊してもらう仕組みを築いた。

 「どんなコンテンツでも、それだけでは限界がくる。互いの良さを持ち寄ることで次が見えてくる」と中島代表。舞台稽古とともに地域との信頼も積み重ねてきた。相乗効果によるまちおこしは本番を迎える。(新日本海新聞社、文・高〓(土ヘンに谷)正範、写真・吉浦雅子)

 【新日本海新聞社】

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点から面へ進化

 どの地域でも直面する廃校の活用問題を“点”にこだわらず、関係する団体などの長所を持ち寄り“面”へと進化させた好例だ。元城下町という地域資源と演劇がもたらす化学反応に今後も目が離せない。(新日本海新聞社・高〓(土ヘンに谷)正範)