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第12部 刺激を手掛かりに

【04】

まとめ 留学生定着へ支援を

 留学生の誘致は国際貢献や、優秀な人材の獲得を目的に国策として進められた経緯がある。実際に学生を受け入れた地域では、住民とのきずなが芽生えたり、経済浮揚策で助言を得るなど、波及効果も表れている。
 このため人口減少に悩む地域からは、海外の若い人材が定着、リーダーとして活躍することを期待する声も上がる。しかし、留学生をめぐる民主党のビジョンは不鮮明だ。就職支援を含め、進路に十分目配りした戦略が求められている。

 ▽進まぬ見直し

 「政権交代で国の政策は中ぶらりんとなっているが、少子化対策で留学生を増やすのが地方の共通認識。国の先を行く自治体もある」。留学生支援に本腰を入れる静岡県の担当者は指摘する。
 政府の計画は、自民・公明政権が2008年に決めた、20年をめどとする「留学生30万人計画の骨子」でストップ。文部科学省幹部は「計画に検討を加え、あるべき姿を構築したい」とするが、再検討はほとんど進んでいない。野党からは「どういう考えで、政策を進めたいのか分からない」と批判が上がる。
 計画を推進する関連予算も10年度は355億円と、前年度から37億円減少。国費留学生の受け入れ人数は5年ぶりに減り、就職支援なども目を引く新事業はない。文科省は「限られた予算の中、できるだけのことはした」と説明するが、足踏みの印象は否めない。

 ▽大きいギャップ

 独立行政法人・日本学生支援機構が私費留学生に行った07年の進路希望調査では、日本での就職が61%(複数回答)で断トツ。だが、08年度に卒業・修了した留学生のうち日本で就職したのは25%に過ぎない。機構担当者は「文系が多い留学生と、技術者がほしい企業とで差もある」と話す。
 こうしたギャップ解消に向け、広島県は11年度に「留学生活躍支援センター」(仮称)を設立。受け入れから就職まで一元的に対応し、日本語教育もサポートする事業などを展開する。担当者は「留学生の地元指向は高い。活力低下に危機感を持つ地域にとっても、生き残るには海外人材の定着と活躍が必要だ」と力説し、留学生を地域で生かす取り組みを進める。
 一方、富山県の調査では、学外の日本人との交流会を希望する留学生は89%なのに対し、経験があるのは65%止まり。言葉の壁に加え、交流を敬遠しがちな日本人の傾向を指摘する声も多い。
 交流体験は、外国人観光客をもてなす意識向上や、外国語情報などを充実させたユニバーサルデザインのまちづくりにも発展していく。私たちも一歩踏み出す勇気が求められている。(共同通信社、文・岡部智也)

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一口メモ
外国人登録者数の推移

 外国人登録者 2008年末で約221万7千人おり、総人口の1・7%。中国籍が約3割を占める。在留資格別では、法相が永住を認めた一般永住者が約49万人、在日韓国・朝鮮人ら特別永住者が42万人、日系ブラジル人ら在留期間が指定された定住者が26万人などとなっている。



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