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第6部 子育てを支える

東京都の保育所待機児童数と地方圏の人口移動数
【04】

まとめ 空回り

 出生率が急落し「1・57ショック」といわれた1989年から20年。少子化対策が何度も叫ばれ、国は名称やメニューを手直ししては「対策」を講じてきた。しかし、出生率は落ち込み、回復の気配も見えないままだ。
 「自民党は子どもにお金を使わなかったが、現内閣では重要課題。どこの首長もやる気だし国も頑張る」。福島瑞穂(ふくしま・みずほ)少子化担当相はいう。問題は頑張り方だ。厳しい結果は政策の的外れぶりを示し、やり方の見直しが不可欠だと教えている。
 
▽空回りの計画

 「国は地方の実情を分かってない」。福井県のある市の幹部は批判する。例えば「待機児童ゼロ」を掲げ、麻生政権が2500億円かけた「安心こども基金」。自治体は、厚生労働省と文部科学省が決めた事業と交付額から、はみ出すことは許されない。待機児童がいない宮崎県の担当者は「柔軟に使おうと国と協議したが、省をまたぐ流用はだめといわれた」と、あきらめ顔だ。
 共働き家庭の小学生らを預かる厚労省の「放課後児童クラブ」には/(1)/ついたてで仕切っただけなど不特定多数が出入りできる場所はダメ/(2)/70人を1人でも超えたらクラブを分割―と細かなルールが並ぶ。自治体が文科省の「放課後子ども教室」との一体運営を求めても「省壁」が立ちはだかる。全国市長会は「独自に進めていた地域もあるのに、国の制度化で逆に縛られた」とこぼす。国が乗り出したため、地方の知恵がつぶされたのだ。
 国主導の「机上のプラン」は各地で空回りする。仕事と子育ての両立を目指す企業を手助けするという「次世代育成支援対策推進センター」。厚労省は全国の経済団体を指定し「毎年、事業計画を出してもらっている」と説明するが、四国の経営者協会は「たまに機関紙で広報するだけ。企業から相談されたこともない」と素っ気ない。
 
▽やるべき仕事

 日本の児童・家族分野の関係支出は国内総生産(GDP)比で0・81%(2005年)。3%超の英国やフランスなどとの差は大きい。第一生命経済研究所の松田茂樹(まつだ・しげき)主任研究員は「子ども手当が実現すれば、家計負担の軽減効果は大きい。ただ、出生率低下原因の7割を占める未婚化・晩婚化は解決しない」とみる。
 国にはやるべき仕事がある。成長戦略を描き雇用不安を解消し結婚や子育ての環境を整えることだ。待機児童の多い都市と若者が流出する地方では事情も違う。児童施設や企業の計画づくりなどは現場に近い自治体やノウハウのある民間に任せるべきだ。ふさわしい仕事で競い合えば大きな相乗効果が生まれる。(共同通信社、文・岡部智也)

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一口メモ
国の少子化対策

国の少子化対策 保育充実などを目指すエンゼルプランを1994年に策定するなどの取り組みをしてきた。しかし、財政面の制約もあり、思うような成果が上がっていないのが現状だ。民主党は総選挙で、マニフェストに子ども手当支給や高校無償化を柱とする子育て支援策を掲げた。



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