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第4部 地方議会動く

提出者別条例案数の推移
【04】

まとめ 「八百長と学芸会」

 国政で起きた初の本格的な政権交代。自民など保守系会派が第1党を占める大半の地方議会が直面する「ねじれ現象」は、じわじわと影響を広げる。選挙で支援した地元の国会議員を通じて要望を陳情する手法が壁にぶつかり、新たな「自治」を問うているためだ。
 「自民党は袖にできない」。9月上旬、民主党本部で同党幹部と会談した全国都道府県議会議長会の金子万寿夫(かねこ・ますお)会長(鹿児島県議会議長)は漏らした。ただ「地方議会も変わるんじゃないか」とも続け、揺れる胸の内を明かした。
 
 「学芸会以下」
 
 「ほとんどの議会は八百長と学芸会」。2年前、片山善博(かたやま・よしひろ)前鳥取県知事の政府会合での発言に一部議会が猛反発する騒ぎがあった。しかし、ある県の部長は「議員の質問もこっちが考える。学芸会以下だ」と話し、言葉通りの実態を認める。
 全国市議会議長会の調べでは昨年、全国で市長が提出した条例など約10万4千件の議案のうち、99%超は原案通りの可決。議員提案の条例案は約1200件に過ぎない。
 地方自治体では制度上、首長が優位に立つ。議会による予算案修正に制限がある上、首長には拒否権や、議会を招集せずに執行できる専決処分が認められている。議員をサポートする議会事務局も少人数のケースが大半で、職員は数年で執行部へ異動してしまう。
 愛知県議と同県犬山市長を務めた石田芳弘(いしだ・よしひろ)衆院議員は「地方議員は与党の首長に万年野党として賛成するだけ。政策に生かせないのにあちこち視察するのは壮大な無駄遣い」という。国政のような議院内閣制とし、議員が政策と予算に責任を持つ仕組みをと訴える。
 
 ▽今こそ好機
 
 国の地方制度調査会は6月、議会の機能強化を答申した。しかし、首長側の消極姿勢などから、具体的な改革項目では先送りが目立った。ただ、今村都南雄(いまむら・つなお)中央大教授は「独自の運用で工夫できることも多い」と指摘する。例えば、議員も予算を伴う条例を提案することができ、乳幼児医療費の助成を広げた北海道余市町など実現例もある。
 全国初の議会基本条例を制定した北海道栗山町で、議会事務局長を務めた中尾修(なかお・おさむ)東京財団研究員は「条例提案など今の武器を使いながら、議員は住民の中へ出て行く努力をすべきだ。住民も変わっていくはず」と話す。
 通年議会や大学との協定、市民調査会など各地で変化が芽吹き始めた。今村教授は「中央が変わろうとする今こそ、地方議会を見つめ直すチャンス」とみる。「チェンジ」を生かすため、住民も無関心ではいられない。(共同通信社、文・岡部智也)

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一口メモ
地方議会の仕事

地方議会の仕事 執行部提案の議案審議のほか、議員や委員会も条例の制定改廃を提案可能。調査に強制力がある特別委員会設置、外部の専門家へ調査検討の依頼もできる。市民参加や機能強化を目指す議会基本条例は既に約70の議会で制定されたが、条例案審議が非公開の議会も。



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