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議員の大量逮捕という前代未聞の不祥事を受け設置された、鳴門市議会の予算決算委員会=9月
【03】

鳴門 「市議の大量逮捕」

 「誰も乗っていないバスを守る必要があるのか。利便性の向上を考えるべきだ」「いや、残せるものなら残してほしい」
 市民の発言をメモするのは、徳島県鳴門市の市議会議員。慣れない手つきでプロジェクターを使い、市営バスの経営を説明しているのも市議だ。
 市議会が、こうした「市民調査会」を市内16カ所で開いたのは、2006年10月から12月だった。「債務超過となった市営バスの現状を知ってもらい、意見を聴こう」と市議が手分けして会場を回り、議員同士でも議論を重ねてきた。
 調査会の意見も踏まえて市議会は07年3月、路線の民間委託などによる経営改善を市に促す決議を採択。8路線のうち3路線が民間委託された。
 
 ▽市とも競う

 多くの自治体で議会と住民が遠く「民意が議会や行政に反映されない」と批判される。住民との距離を縮めようと、鳴門市で市民調査会が始まったのには事情があった。
 「昨年は、市民の皆さまに多大なご迷惑をおかけいたしました」。調査会では、市議の陳謝が繰り返された。05年9月の衆院選で、現職市議26人中7人が公選法違反(現金授受)で逮捕。信頼がどん底に落ちた議会は、定数を4人削減し、自主解散する道を選んだ。
 議長立候補制と立候補演説の実施や全議員による予算決算委員会の設置、倫理条例の制定、本会議・予算決算委員会のネット中継、請願者の委員会出席―。4年間で実行された改革は少なくない。バス事業のような市の懸案に関する調査会は、今後も行う予定だ。
 横井茂樹(よこい・しげき)議会運営委員長(60)は「以前とは、天と地ほど変わった」と、振り返る。委員会での発言が活発化し、議員と市側が切磋琢磨(せっさたくま)するようになったという。
 
 ▽未達成の改革も
 
 ただ、12月に改選期を迎える市議会が任期中に達成できなかった改革もある。例えば、議会基本条例の制定だ。議会の役割や責任を示し、市民調査会や議員間討議などを明記するもので「改革の集大成」と検討を進めてきた。しかし、議会内の温度差から、まとまらない。市民からは「改革熱が冷めてきたのではないか」と批判が上がる。
 立候補制になった議長選も3回連続で立候補者が1人にとどまっており、会派が事前調整していた従来と比べ、変わったとの実感は薄い。このほかの改革も「制度をつくっただけでは活性化しない。肝心なのは議員の姿勢」と厳しい見方がある。
 信頼失墜からスタートした鳴門市の議会改革。なお険しい道のりは続く。(徳島新聞社、文と写真・門田誠)

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一口メモ
鳴門市議の公選法違反事件

鳴門市議の公選法違反事件 2005年9月に行われた衆院選の徳島2区で落選し、比例代表四国ブロックで復活当選した自民党公認候補を支援した市議7人が逮捕された。逮捕者は議員定数の4分の1を超え、前代未聞の不祥事となった。



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