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第4部 地方議会動く

 昨年11月、学生17人が質問した模擬議会。執行部からの反問権を導入し、逆質問に学生が答える場面もあった=山梨県昭和町議会
【02】

山梨学院大 「町議会と協定」

 山梨県昭和町議会で昨年11月、若い声が響いた。山梨学院大法学部政治行政学科の6ゼミナールの学生17人が参加して開かれた模擬議会だ。
 「(町の)広報紙に興味を持ってもらう取り組みはしていますか」「読んでもらうには仕掛けが必要。クロスワードパズルを導入しては」。町の施策に質問が次々と飛び出し、浅川武男(あさかわ・たけお)議長(67)は「ビジュアルに訴えるプレゼン方法は見習う所があった」と感心した。
 
 ▽住民と集会も

 昭和町議会は昨年5月、公共政策を調査・研究する山梨学院大の「ローカル・ガバナンス研究センター」と、議会改革を目指し連携協定を締結した。地方議会と大学の協定は全国初。議会側は教授らの専門知識や学生の感性を吸収し、大学側は実際の議会を学生に学ばせる相乗効果を狙う。模擬議会はその一環で、議員への講義も昨年度、地域福祉政策などをテーマに8回を数えた。
 「大学が議会のシンクタンクの役割を果たしている。地方行政を学んで議員の質も向上した」と浅川議長はいう。2時間の講義のうち40分間は、議員が教授に質問・相談する時間となっている。
 協定締結後、一問一答方式の質問戦や区長との座談会、円卓による委員会討議を導入した。浅川議長は「慣習にこだわらない若者の感性に学ぶことが多い。議員16人のうち9人が新人だったことも改革意識が根づきやすかった」と話す。
 町民との対話集会も始まった。5月29日夜、清水新居(しみずあらい)公民館で住民と議会総務常任委員会のメンバーが向き合った。
 「西条小の通学路に歩道橋を付けて」との住民の注文に、町議が「住民が署名し町に働きかけてもらえると議会も活動しやすい」と応える。議員が要望を一般質問に生かす一方、住民にアドバイスもする仕組みだ。
 同センター長の江藤俊昭(えとう・としあき)・法学部教授(53)は「住民とともに歩み、政策に生かす画期的な活動だ」と評価する。常任委には産業土木と教育厚生もあり、町内12区を4カ所ずつ回って1年間で1回ずつ開く計画だ。
 
 ▽監視し提案を

 学生側は本年度、福祉政策や議会改革などをテーマにワークショップを開く予定。町の担当者や町議に課題などを聞き取り調査しており、10月下旬には議会と意見を交わし、町政に反映させることを目指している。
 「協定を機に町民が議会を注目するようになった」と浅川議長。大学の「知」と「若さ」が住民、議会、町の3者の距離を縮め、監視し提案し合う関係づくりに貢献している。(山梨日日新聞社、文と写真・雨宮悠希)

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一口メモ
地方議会と大学の連携協定

地方議会と大学の連携協定 教授が専門知識を講義、議員の相談・指導に応じるなど議会運営に生かす取り組み。学生が政策提言し若い感性を改革につなげる狙いもある。昭和町議会と山梨学院大に続き、さいたま市と埼玉大、福島県会津美里町と福島大などに広がる。



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