早咲き傾向、ばらつく開花 名所の桜、観光に影響
桜の名所として知られる青森県弘前市の弘前公園。毎年、四月二十三日から五月五日までの間、大型連休に合わせて開く「弘前さくらまつり」を前に、市の関係者は、観光客の出足に影響するソメイヨシノの開花日を気に掛ける。
公園の平年開花日は四月二十四日。二千六百本の桜の剪定(せんてい)がほぼ終わった三月下旬、寒の戻りが続き、園内に雪が積もった。桜を管理する市公園緑地課の小林勝(こばやし・まさる)主幹(樹木医)は「今年は暖冬少雪で暖かかったが、これで花芽の成長にブレーキがかかる。長期予報通り、気温が平年並みに落ち着けば、開花は四月二十二日ごろ」と占う。
温暖化の影響で、桜は全国的に早咲き傾向にある。気象庁によれば、桜の開花を左右する三、四月の弘前市の平均気温はここ三十年で約一・五度上昇した。
弘前公園では一九八九年以降、平年を三日以上上回る「早咲き」の年は八回に上る。また、暖冬でも「遅咲き」の年もあり、開花のばらつきが大きくなった。
記録的な暖冬だった九〇年は、観測史上最も早く四月十三日に開花し、大型連休は葉桜に。関東以南で早咲きだった二〇〇六年は四月に低温が続き、同三十日に開花、戦後四番目の遅咲きとなり、さくらまつりの会期を二日間延長した。〇八年は三、四月とも暖かく、平年より八日早く十六日に開花したため、まつり開幕四日前から夜間照明を点灯し、出店の営業を早めた。
「平成に入り早咲き傾向になったが、温暖化が原因とは言い切れない。開花前の気温の影響が最も大きく、直前まで油断できない」と小林主幹。今年も気温と花芽の状態を気に掛ける日々が続く。(東奥日報社、文・村林徹、写真・高谷成彦)
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桜の開花 桜の花芽は前年の七月から十月までに形成され、寒さとともに自然休眠に入る。日中の最高気温が六―七度になると目覚め、活動を始めるとされる。花が五、六輪咲けば「開花」、約八割以上咲けば「満開」という。開花から満開までは四―七日間程度。