第45回衆議院議員選挙 > 衆院選豆知識

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衆院選豆知識

■小選挙区比例代表並立制

 大政党に有利で二大政党制をもたらすとされる小選挙区制と、民意をより正確に反映する比例代表制を組み合わせた衆院の現行選挙制度。

 定数1の小選挙区は最多得票者が当選。比例代表は全国11ブロックごとに各政党の得票を1、2、3などの整数で割り、商の大きい順に各党に議席を配分、当選者は各党の候補者名簿の記載順位に基づいて決まる。

 同一順位に登載された小選挙区との重複立候補者は、小選挙区での惜敗率の高い順に当選が決まる。1996年の衆院選から導入され今回で5回目。

 

■比例代表名簿

 衆院比例代表選挙で各政党は、候補者に順位を付けた名簿を全国11ブロックごとに届け出る。

 有権者は政党名を記入して投票し、得票数に応じて各党の当選人数が決定。名簿上位者から順に当選人となる。

 小選挙区にも出馬する重複立候補者は、名簿順位を同一にでき、小選挙区で落選しても惜敗率(当選者の得票に対する自らの得票の割合)の高い順に当選が決まる。

 ただ、小選挙区で有効投票の1割を得票できないと名簿から削除され、復活当選はできない。

 

■政党要件

 政治資金規正法上の政党要件は(1)国会議員が5人以上所属する(2)直近の衆院選または参院選で、選挙区か比例代表の選挙で有効投票総数の2%以上の得票がある―のいずれかを満たすことが前提。

 今回の衆院選段階では、自民党、民主党、公明党、共産党、社民党、国民新党、みんなの党、改革クラブ、新党日本の9政党が該当する。新党大地や幸福実現党は政党要件に達せず「諸派」扱いとなる。

 政党と認められると、党公認候補が小選挙区選挙に出た場合、はがきやビラの枚数で諸派や無所属候補より優遇されるほか、政見放送を利用できる。比例代表での重複立候補も可能になる。

 

■連座制

 「秘書がやったことで...」。疑惑を持たれた政治家の〝決まり文句〟は、選挙違反では通用しない。陣営幹部や秘書、親族らが重大な選挙違反で有罪判決を受けると、候補に直接の関与がなくても「連座制」が適用され、当選無効と5年間の立候補制限が科せられる。

 比例代表の違反で連座制は適用されないが、比例で復活当選した重複立候補者が小選挙区で連座制適用を受けると、比例の当選は無効となる。

 連座制は1994年の公選法改正で、現場責任者クラスの違反まで範囲を広げ、現在の形となった。以後、適用例が増加し、議員からは「自分が知らなくても罰せられ過酷だ」との意見もある。

 

■供託制度

 売名目的など当選する意思のない候補者の乱立を防ぐため、候補者や政党などは現金か国債を法務局に預ける「供託」をしなくてはならない。

 選挙の種類ごとに金額は異なり、衆院選小選挙区の場合は300万円。比例代表は1人当たり600万円が必要だが、小選挙区との重複立候補者は300万円になる。

 小選挙区では、選挙区の有効投票の1割に達しないと没収され、比例代表での復活当選もできない。比例代表では当選者数に応じて没収額が決まり、国庫に納められる。

 また、供託金が没収されるとポスター作成などの公費負担もなくなり、候補者にとってはダブルパンチとなる。

 

■街頭演説と連呼

 〇〇党の△□、△□、最後の、最後のお願いです―。選挙カーから流れるアナウンス。「もっと政策を訴えるべきだ」との声も強いが、公選法は走行中の選挙カーからの演説を禁じている。

 屋外で多数に投票を呼び掛けるのは「街頭演説」。演説者は立ち止まる必要があり、歩行中や走行中の車からは演説できない決まりだ。一方、政党名や候補者名など短い文言を繰り返すのは「連呼行為」と規定され、走行中でも許される。

 街頭演説、連呼行為とも可能なのは、午前8時から午後8時まで。音量に規制はないが、学校、病院の周辺では静かにするよう努めなければならない。

 

■政党と諸派

 同じ衆院選の立候補者でも政党の公認候補に比べ、政治団体所属の諸派や無所属候補の選挙運動には一定の制約がある。公選法が政党中心の選挙を想定しているためだ。

 同法で政党として扱われるには(1)国会議員が計5人以上所属(2)直近の衆参両院いずれかの選挙で有効投票の2%以上を獲得―のどちらかを満たす必要がある。

 小選挙区の場合、諸派や無所属候補は政見放送ができないほか、ポスターやビラ、はがきの枚数や事務所、選挙カーの数も制限される。比例代表では、各ブロックの定員の2割以上の候補擁立が求められるほか、政党候補には認められる重複立候補もできない。

 

■ネット選挙

 政党や候補者のホームページを見てみても、公示を境に更新は滞り、最新の活動は載っていない。公選法がインターネットを使った選挙運動を認めていないためだ。

 同法では、一定のはがき、ビラ、新聞広告、選挙公報以外の文書図画は一切配布できないと規定。総務省は「人の視覚に訴え選挙運動の効果を期待するものは文書図画」としており、ホームページの更新や不特定多数へのメール送信は原則として禁止された形だ。

 急速に普及するネットに公選法が対応できていないのが現状。民主党が改正案を提出するなどネット利用解禁に向けた動きが出ているが、実現には至っていない。

 

■選挙運動の制限

 お茶はいいけど、サイダーは駄目―。選挙事務所を訪ねた人に出せる飲み物から、事務所前に掲げるちょうちんの大きさまで定める公選法。禁止事項や制限の多さから「べからず集」とも呼ばれる。

 例えば、路上で偶然会った知人への投票依頼や電話を使った選挙運動は可能だが、有権者宅や会社などを訪問する「戸別訪問」は、買収の温床になるとして禁止されている。
 ネコの手も借りたい選挙期間中だが、報酬を支払って雇えるのは選挙カーの運転手やうぐいす嬢などに限られる。ビラ配りなどで有権者に直接、投票を訴える運動員に日当を払うと買収になる。

 

■広がる投票門戸

 海外に住む有権者に国政参加の道を開く在外投票制度。比例代表に限られていた投票先が、2006年の法改正で選挙区にも拡大された。衆院選は今回が初適用で、国内で最後に住んでいた小選挙区に投票できる。

 同一の在外公館管轄区域に3カ月以上住むのが条件で、在外公館での投票か郵便投票などが選べる。ただ、在外選挙人名簿への登録申請が必須で、登録済みの有権者は1割強にとどまる。申請手続きの簡素化が課題だ。

 また、南極観測隊員には、ファクス投票が認められたほか、国連平和維持活動(PKO)で海外派遣中の自衛隊員なども宿営地内で投票できるようになった。

 

■無効票

 せっかく投票所に足を運んでも、無効票となっては貴重な1票が無駄になる。衆院選の場合、小選挙区は候補者の氏名、比例代表は政党名をそれぞれ所定の投票用紙に自ら記入するのが大原則だ。

 白紙はもちろん、複数の氏名を書いたり、ゴム印などを使えば無効票と判断される。愛称や略称を書いた場合や判読が難しい疑問票の扱いは、各開票所の開票管理者が開票立会人の意見を聞いて決める。

 姓が同じ候補が出馬した場合、姓だけしか書かれていない票は同姓候補の有効得票の割合に応じて票を割り振る「案分票」となり、小数点以下の得票が発生する。