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衆院選連載企画「ルポ 改革のあと」5回続きの(5)夕張市

「まさか自治体が...」  「夕張市」

 経費節減のため蛍光灯が所々抜かれて薄暗くなった庁舎内で、地域再生推進室の吉岡崇(よしおか・たかし)さん(34)は北海道や国に提出する資料作成に取り組む。10年前に就職した夕張市は財政が破綻(はたん)、2007年3月に財政再建団体となった。吉岡さんは「自治体が破綻するなんて、就職する時には考えもしなかった」と振り返る。

薄暗い夕張市役所

経費節減のため蛍光灯が所々抜かれ、薄暗い夕張市役所。庁舎内は職員の相次ぐ退職で閑散としている=7日

 24年度までに353億円の赤字を解消する市の財政再建計画により、07年度から職員の給与は平均30%削減された。約23万円だった吉岡さんの給与も約17万円に。「再建団体となって最初の給与明細を見た時は暮らしていけるのかと目の前が暗くなった」。生活不安などから退職が相次ぎ、市の職員数は06年度当初の約400人から約150人にまで減った。

 5年前に約2500万円で市内に新築した家のローン支払いに加え、ことし1月に長女が生まれ、負担は増えるばかり。ごみ処理手数料も有料化され「一度により多くのごみを詰めて捨てるようにしている」と、ため息交じりに話す。

 再建計画で、ごみ有料化のほかにも下水道使用料が約60%値上げされ、収入の少ない高齢者の生活も直撃を受けた。一人暮らしの戸田明子(とだ・あきこ)さん(77)は「月約4万6千円の年金収入だけでは暮らしていけない」と昨年10月から生活保護を受け始めた。家は傾き、冬には玄関のすき間から雪が吹き込むが、修繕する費用もない。

 「地方自立」を掲げた小泉内閣の三位一体改革で04年度からの3年間に、地方交付税は総額約5兆1千億円が削減された。夕張市でも同期間で約9億6千万円落ち込んだ。

 炭鉱で栄えた1960年に約11万6千人いた人口は、約1万1500人(1日現在)まで減少、市税収入も落ち込む一方だ。

 6月、民主党の鳩山由紀夫代表と面会した藤倉肇市長は「自力再生にも限度がある。政治的な配慮をお願いしたい」と支援を要請した。

 「再建計画が終わる16年後にこの街はどうなってるのだろうか。地方が特色を生かすためにも自由に使える財源を増やしてほしい」。吉岡さんの思いは全国の自治体に共通した要望でもある。

 三位一体の改革 「地方にできることは地方に」という理念の下、小泉純一郎元首相が打ち出した。2004~06年度にかけ「国の補助金削減」「国から地方への税源移譲」「地方交付税の抑制」の三つを同時に進めた。3兆円が税源移譲されたが、交付税も5・1兆円削減された。

(08/12)


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