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衆院選連載企画「ルポ 改革のあと」5回続きの(3)年金生活者

「負担は重くなるばかり」 「年金生活者」

 古田部利子(こたべ・としこ)さん(70)の朝は、同居の母親大貫幸枝(おおぬき・ゆきえ)さん(96)をトイレに連れて行くことから始まる。紙おむつの交換のためだ。千葉県柏市のマンションで二人暮らし。幸枝さんは80代半ばまでは家事をこなし、2人の孫の世話もしてきた。6年ほど前から足腰が弱り介護が必要になった。

母親を介護する古田部さん

母親を介護する古田部利子さん=7月30日、千葉県柏市

 週に3回、近くのデイサービスに通い、昼食とお風呂を済ませている。古田部さんが自宅で入浴させるのは無理だ。

 「負担は重くなるばかり」とため息をつく古田部さん。2005年の介護保険法改正で施設の食費は自己負担となった。1カ月で約1万円の負担増。08年からは後期高齢者医療制度が始まり、幸枝さんの年金から1カ月に保険料2300円が天引きされる。

 「紙おむつ代が約1万円など介護に月3万円かかる」。幸枝さんの国民年金の給付額は月約2万8千円なので、介護費用だけで足が出る。

 古田部さん自身が年金生活者だ。18歳から60歳まで働き、共済年金と厚生年金で年収は約280万円。衣服はほとんど買わず、リフォームなどで済ませる。節約生活で「好きな旅行も、もう何年も行っていない」と話した。

 10年前、大病を患い胃を全摘した。夫は02年に死去。「蓄えはない。私が病気になったらおしまい。母が介護施設に入所する時が来ても、施設は300人待ち。行くところがない」と大きな不安を抱えている。

 望むのは高齢者に優しい政治だ。70歳を迎え、医療費の自己負担は3割から1割になり「精神的な安心感が広がった」。06年の国民健康保険法改正で、70~74歳の窓口負担は08年4月から2割に引き上げられると決まっていたが、09年度までの2年間は負担軽減措置として1割のまま据え置かれているからだ。ただ、10年度から2割に上がる可能性もある。

 厚生労働省の統計によると、高齢者世帯の6割は年金だけで暮らしている。古田部さんは「年金生活者は苦しい生活の人が多い。75歳以上の医療費は無料にして老人施設を拡充してほしい」と訴えた。

 社会保障制度改革 小泉純一郎元首相は年金改革、医療費を抑制する医療制度改革、75歳以上を別枠にした後期高齢者医療制度、介護保険法改正に取り組んだ。「骨太の方針2006」では07年度から5年間、毎年2200億円ずつ社会保障費を抑制する方針を決定。

(08/12)


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