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衆院選連載企画「ルポ 改革のあと」5回続きの(2)教育特区
「学位さえ取れれば...」 「教育特区」
昼下がりの東京・水道橋の学生街。テキストを抱えた学生たちが行き交う商業ビルに「LEC大学」「LEC本校」の看板が掲げられている。「今は学士号さえ取れればいい」。LEC東京リーガルマインド大3年の男子学生(21)は、看板を見上げてつぶやいた。

来年度以降の学生募集停止が決まった、LEC東京リーガルマインド大が入居するビル=6月、東京都千代田区
司法書士を目指し、東京都内の高校から進学した。「資格の勉強が、そのまま大学の単位になる」と言う説明が魅力だった。有名私立大の推薦入学は断った。「時間的、経済的に一石二鳥だと思った」と振り返る。
小泉改革の目玉だった構造改革特区は、株式会社の大学設置に道を開いた。同大はその適用を受け資格試験予備校「LEC」を経営する会社が2004年に開校。全国に12のキャンパスを擁し、LECと提携した実学重視の教育で注目された。
しかし、大学での勤務実態がない予備校教員を数多く大学専任教員としていたことが問題化。文部科学省は07年、改善を勧告した。これを受け、大学の授業から資格試験を重視した勉強が分離された。崩れる大学イメージ。「これですべてが変わった」と男子学生。
資格を取るため昼は大学、夜は専門学校に通う「ダブルスクール」を解消できるとうたった特徴は薄れ、学生が信頼する教員も教壇を去った。司法書士の夢は遠のく。
多い時で200人を超えた新入生は今春18人。来年度以降の学生募集の停止が決まった。「まさかと思った。結局、金もうけのために大学をつくったのか...」。やるせなさが口をついて出た。
株式会社立大は現在、全国で6校。学生を増やす大学もある一方で、大阪市のLCA大学院大は経営悪化で本年度から学生募集を停止した。新大学の"破綻(はたん)"を踏まえ、中教審は大学設置基準の厳格化も検討する。
LEC大4年の女子学生(21)は「教育制度の被害者であるわたしたちの思いは一体どうなるのか」と訴えた。
構造改革特区 地域を限定して規制緩和する仕組み。教育分野では2003年から株式会社が学校の運営主体になることが可能になった。文部科学省によると、株式会社立大のうち5校が赤字で、教育への影響も懸念されている。
(08/12)
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