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「マニフェスト論戦―09年衆院選」10回続きの(10)農業・FTA

農業・FTA

消費者負担か財政出動か 自民、民主が真っ向対立

 生産調整(減反)や高関税による価格維持で農業を保護する自民党と、価格が下がっても所得補償により農家の生計を支える民主党が真っ向から対立する。日本の農業を支えるコストは、割高な農産物を食べることになる消費者負担が望ましいのか、財政でまかなうべきなのか。両党の立場は大きく異なる。

主要政党の農業関連マニフェスト

 「国内の農業が致命的な大打撃を受けることは必至で、日本農業を売り渡すことに等しい」(自民党)。違いが端的に表れたのが、日米自由貿易協定(FTA)をめぐる応酬だ。

 当初のマニフェスト(政権公約)に「米国との間でFTAを締結し、貿易・投資の自由化を進める」と盛り込んだ民主党に対し、麻生太郎首相は党首討論で「日本の農業についてとても真剣に考えているとは思えない」と攻撃した。

 農家の動揺を懸念した民主党の鳩山由紀夫代表は「コメや麦などの主要作物を守る」と軌道修正したが、党内には自由貿易を志向しつつ、所得補償で農家を支えればいいとの考えは根強い。
 小沢一郎代表代行は「農家には戸別所得補償制度の導入を提案しており、食料自給体制の確立と自由貿易は何も矛盾しない」と言い切る。

 市場価格と生産費用の差額を補てんする民主党の看板政策である戸別所得補償には「(具体論がなく)幻惑に等しい」(石破茂農相)と自民党が徹底的に批判。民主党は「農林漁業が自民党農政の失敗で崩壊の危機にひんしている」(筒井信隆「次の内閣」農相)とやり返す。

 減反をめぐっても、現状維持を掲げる自民党に対し、民主党は事実上の選択制と差は大きい。
 両党の政策の差は、農村票を握ってきた農業協同組合という組織を頼りにしてきた自民党と、農家に直接食い込もうとする民主党の選挙戦略の違いも反映している。

 民主党のマニフェストに猛反発した全国農業協同組合中央会に、民主党は「真意の確認もせず(非難声明を出す)こうした行為には看過できないものがある」(平野達男・農林漁業再生本部副本部長)と正面から反論した。そこには、農協と農家の考え方は別との計算がうかがえる。

 農業の競争力向上には農家の規模拡大によるコスト削減が不可欠との見方が多い。だが、小規模農家への配慮から、農家への支援について自民党は面積要件を「撤廃する」と明言。民主党も「所得補償では規模や品質に応じた加算を行う」としているだけで、農業再生の道筋は見えない。

 農家の所得対策では、公明党は「セーフティーネット(安全網)の充実」を掲げる。共産党、社民党、国民新党、みんなの党、改革クラブ、新党日本はいずれも所得補償の導入に言及している。

(08/28)


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