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女性ニート 「家事手伝い」今は昔 深刻な問題抱える例も

女性ニートの就労を支援するカフェで、スタッフ(手前)と一緒に働く若い女性ら=2012年4月、横浜市

 就職や結婚をしたいのにできない「女性ニート」の自立支援に行政などが乗り出した。親と暮らす無職女性は「家事手伝い」と呼ばれ、かつては珍しくなかったため注目されなかったが、対人関係や健康面の問題を抱えている例もある。親がいなくなった途端に生活に困るこうした女性たちが、社会と接点を持ち、貧困に陥らないようにするのが取り組みの目的だ。
 2012年3月、埼玉県男女共同参画推進センター(さいたま市)で、働きづらさに悩む女性の支援講座が開かれた。
 「腕をぶらぶらさせてみて。肩が緩んで体が軟らかくなるでしょ?」
 講師の動きに合わせ、若い女性たちが肩を揺する。一見、体操教室のようだが、これはれっきとした自立支援プログラム。仕事が長続きしない、学校でのいじめ体験を引きずっている、精神疾患があるといったさまざまな事情を抱えた受講者がリラックスできるよう、対象を女性に限定し、こわばった体をまずはほぐそうという狙いだ。
 講座の内容はこうした体ほぐしなどのコミュニケーションとパソコン実習。20人の定員で2回実施したが、いずれも満員になった。
 参加者の一人(33)は仕事のストレスで自律神経失調症に。「何年も療養していたけれど社会に復帰したくて。休まず通えて自信がつきました」。バイトも数日しか続かないという女性(23)は「深い悩みを話し合い、表面的ではないつながりができた」と話す。
 センターの担当者は「昔なら家事手伝いの女性はいずれ結婚できたが、今は妻を扶養できる男性が減って、結婚も難しい。講座が働くステップにつながれば」と話す。
 総務省の労働力調査では、ニートとされる15~34歳の「若年無業者」は11年時点で全国に60万人おり、その4割近くが女性。ただ、家事手伝いは含まれないため、女性ニートは実際にはもっと多いとみられる。
 一方で国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、20~64歳の一人暮らし女性の3人に1人は貧困状態。ニートはその予備軍ともいわれる。
 男女共同参画センター横浜南(横浜市)は、本格就労の準備として働ける「めぐカフェ」を10年11月に開設、これまでに女性30人が仕事を体験した。表情が明るく、出なかった声が出るようになるなどの変化がある。
 センターの小園弥生さんは「性被害に遭った女性など、男性と一緒の支援プログラムだと参加できない人もいる。DV(ドメスティックバイオレンス)被害者や母子家庭と同様、ニート女性に合う支援が必要」と語る。
 社会参加が困難な若者の問題に詳しい斎藤環医師(精神科)は「社会に出る一歩はまず誰かとの関係を作ること。勤務時間が柔軟な『中間労働』のような場があれば、自立できる人もかなりいるはずだ」と話している。



2012/05/01  【共同通信】 


hazime
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