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女性労組がピンチ 雇用悪化、組合費払えない

女性ユニオン東京の事務所に一人で詰める=2011年12月、東京都渋谷区

 働く女性の権利を守ってきた東京の女性労働組合が、活動休止の瀬戸際に立たされている。雇用悪化が東日本大震災の後さらに深刻になり、収入が減った女性たちが組合費を払えなくなっているためだ。収入の低い女性が財政難の組合を支える構造は他の女性労組も同じ。「労組の助けが必要な女性が増えているのに、応えられない」という訴えは深刻だ。
 女性による女性のための労組として1995年に発足した「女性ユニオン東京」。これまでに1万件以上の相談を受け、千回を超す団体交渉をこなしてきたが、2008年のリーマン・ショック以降、組合員がピーク時の約半分の130人に減った。収入が少なく月2千円の組合費を減免されている女性もいるため、活動を支えるのは実質100人ほどだ。
 失業中で、ユニオンの仕事をボランティアで手伝っている30代の女性組合員は「駆け込み寺的存在のユニオンがなくなると困る。会社の扱いは不当なのか、自分はどんな状況に置かれているのかを理解するにも組合が必要。一人ではとても闘えない」と話す。
 活動費不足などから、専従は現在、藤井豊味書記長ただ一人。電話で相談を受けている最中に、別の相談電話が鳴っても出られない。ボランティアに頼れる期間もあとわずかだ。
 藤井さんは「震災で雇用悪化が加速し、転職したくても我慢する女性が増えた。その結果、退職に追い込むための職場いじめやセクハラが陰湿化している。組合が最も必要な時期に、活動の継続が難しくなっているのがもどかしい」と語る。
 他の女性ユニオンも状況は似ている。北海道ウイメンズ・ユニオン(札幌市)も専従の人件費が出せない状態。「組合費が払えない、自分の問題が解決したので、とやめていく女性も多い」と小山洋子委員長。
 だが女性労組の存在意義は大きいと小山さんは強調する。「企業の労組は基本的に正社員、男性中心で、女性や非正規社員のためにという発想はない。セクハラの加害者が組合員だと、動いてくれないこともある」
 女性ユニオン名古屋(名古屋市)も、事務費が底をつき、活動に必要な交通費にも事欠くことがある。最近では、業績悪化のため会社から解決金を取れない事例も。
 女性たちに個人で加盟できる労組を紹介してきた「働く女性の全国センター」(東京)の伊藤みどり共同代表によると、女性労組に限らず、個人加盟の労組を組合費だけで運営するのは難しい。
 伊藤さんは「以前は解決金の一部を労組に寄付する人もいたが、今は無理だ。貧乏人が貧乏な組合を支えている。非正規雇用が増えて個人が孤立し、組合活動をしようとすると雇用を切られかねない。大企業の労組から個人加盟労組への、金銭面も含めた応援が欲しい」と訴えている。



2012/02/13  【共同通信】 


hazime
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