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頑張れ、「どぼじょ」 復興に女性技術者が活躍

東日本大震災による堤防の被害を調査=2011年7月1日、宮城県の阿武隈川河口付近

 トンネルやダム建設などに携わる女性土木技術者が、東日本大震災の被災地で活躍している。「どぼじょ(土木系女子)」とも呼ばれる彼女たちの仕事場は、がれき処理など復興の最前線。かつて「女人禁制」のイメージも強かった土木の世界が様変わりしてきた。
 大津波で甚大な被害を受けた岩手県陸前高田市。砂ぼこりを上げてがれきを運ぶパワーショベルの作業を、前田建設工業(東京)の島村亜紀子さん(41)が見守る。
 島村さんは同社陸前高田作業所の技術担当マネジャー。2011年3月の地震直後から被災地への異動希望を出し続け、6月に着任した。
 ダムが造りたくて京都大で土木工学を学び、「女性は駄目」と言わなかった同社に1996年に入社。願い通りダムやトンネル工事に携わってきた彼女に、震災の衝撃は大きかった。「本来、人の生活を支えるべき道路や橋が壊れ、人命と先人たちが築いた思いまで奪ってしまった。人を守り、自然と美しく共生できる『ものづくり』をしたい」
 女性だからと苦労した経験はないという。むしろ現場が明るくなる、整理整頓が行き届くと喜ばれた。「周囲に支えられ、助けられてここまで来ました」。目標は「被災地の皆さんの生活をなるべく早く取り戻す」だ。
 宮城県では、地盤調査などを手掛ける応用地質(東京)東北支社の藤島由香里さん(27)が地震翌日から、阿武隈川河口の堤防で被害調査を開始した。
 仙台市内の会社で被災し、暖を取るため車の中で寝た翌朝に呼び出し。当初は食事や水も手に入らず、市内の自宅にあったクッキーやアメでしのぎながら、風呂にも入れず働き続けた。
 「どぼじょ」だけに、仕事を離れても工事現場を見ると「みんな頑張ってる」と応援したくなる。地下鉄工事の近くでは「この辺りの地質だと、施工が大変だろうな」と気をもむことも。
 「土木」は中国の古典にある、聖人が民のために土を盛り木を組んで風雨をしのいだ「築土構木」という言葉が語源とされる。トンネルや橋、防波堤など巨大構造物だけでなく、公園や景観、バリアフリーなどカバーする分野は幅広い。
 「現場で女性が活躍するようになったのはここ数年のこと」と話すのは土木学会ダイバーシティー推進小委員会委員長の岡村美好・山梨大准教授(社会システム工学)。
 同学会の女性会員率はわずか2%。トンネル工事の坑内に女性が入れない時代も長かった。だが近年、女性技術者の採用は増加傾向という。
 「女性を増やさないと優秀な人材が確保できない事情がある」とした上で岡村さんは言う。「土木が造る街や施設を使う人の半分は女性。造る側が男性だけだと女性に使いやすくない可能性があるし、震災復興では、災害時に弱者をどう守るかまで視野に入れなければ。女性の発想を生かせる点が多くあります」



2011/08/08  【共同通信】 


hazime
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