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上州路を彩る元井の頭線車両

2017/09/22

上州路を彩る元井の頭線車両

(上)中央前橋駅で出発を待つミントグリーン(右)とフィヨルドグリーンの編成、(下)大胡駅近くを走るフェニックスレッドの編成

 東京の渋谷と吉祥寺を結ぶ京王井の頭線をかつて走っていた3000系電車はカラフルだった。銀色の車体に、前面の強化繊維プラスチック(FRP)の色が編成ごとに異なり7色。レインボーカラーは後継の1000系にも引き継がれた。

 一方、今も各地の地方私鉄を走る3000系の中で、群馬県の上毛電鉄の車両は編成が短くなって名前も700系に変わったが、外観はほぼ井の頭線当時のまま。九州から上京して大学に入りたてのころ、井の頭沿線に住んでいた私には懐かしさいっぱいだ。

 JR高崎駅から両毛線に乗り前橋駅で下車。10分ほど歩くと中央前橋駅に着く。上毛電鉄線はここから桐生市の西桐生駅までの25・4キロ。駅は計23ある。ホームに止まっていた700系2編成の前面の色は、上毛電鉄のホームページによるとミントグリーンとフィヨルドグリーンと呼ぶらしい。

 井の頭線時代とバリエーションは変わったものの、計8編成すべての色が異なる。同じ元井の頭線3000系でも、アイボリーホワイトに統一された松山市の伊予鉄道、赤と緑2種の静岡県富士市の岳南電車岳南線などとは大きく異なる点だ。




(上)大胡車庫のロイヤルブルー(左)とパステルブルーの編成、(下)イベント時限定販売の「車庫弁」

 訪ねたのは、ファンへの感謝イベント開催日。ミントグリーンの編成に乗って会場の車両基地がある大胡駅に向かう。乗り心地もかつてと変わらない(気がした)。大胡駅に隣接する車庫では、ロイヤルブルー、パステルブルー、ジュエルピンクの3編成を止めて休憩場所として開放。すぐ横の本線上を、真っ赤なフェニックスレッドや明るい黄色のサンライトイエローの編成が走り抜けていく。往時の井の頭線を見ているような気分だった。

 上毛電鉄の名物がもう一つ。大胡車庫でイベント開催時にだけ販売する弁当がある。その名も「車庫弁(しゃこべん)」。ソースカツ2切れと、豚の生姜焼きがご飯の上に乗って900円。ファンの間では有名なようだ。肉質がいいのか、見た目ほどしつこくなく、冷めていてもおいしかった。

 ☆美浦克教(みうら・かつのり)共同通信社編集局企画委員

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