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御朱印に電車、東京の「都電神社めぐり」

2017/04/21

御朱印に電車、東京の「都電神社めぐり」

(上)飛鳥山付近の一般道を走る都電荒川線=東京都北区、(下)「都電神社めぐり」の3神社の御朱印

 寺社を鉄道で巡りませんか、という企画がある。例えばJR西日本の「駅からはじまる西国三十三所めぐりスタンプラリー」。関西と岐阜の7府県にまたがる日本最古の観音霊場、西国三十三所の各寺を訪ね、指定の駅でスタンプを集めて回る。

 首都圏でも京成電鉄や京浜急行電鉄など4者がタイアップし、成田山新勝寺や川崎大師平間寺を対象にした「ぶらり電車で行く!!大本山スタンプラリー」などの例が過去にあった。

 そんな中で東京のチンチン電車、都営荒川線の沿線にある三つの神社の「都電神社めぐり」はユニーク。鉄道会社のようなスタンプラリーではなく、神社の御朱印そのものに、都電の電車をかたどった印影を押してくれる。

 御朱印は、元は寺に写経を納めた(納経)際の受領証明。神社にも御朱印があるのは、明治期の神仏分離まで寺と神社は一体だったからとの説明が一般的だ。御朱印収集のブームが続いている近年、電車の御朱印は収集家への訴求力もある。

 三つの神社は、「都電雑司ケ谷」停留所が最寄りの大鳥神社(豊島区)、「大塚駅前」の天祖神社(同)、「飛鳥山」の七社神社(北区)。神社はどこでも、由緒をたどっていくと地域の歴史が浮かび上がってきて興味深い。そんなに堅苦しい話でなくとも、例えば大鳥神社には尻を高く上げた「尻上がり狛犬」や、大きなきんちゃく袋のような賽銭箱があって、見た目にも楽しめる。




(上)戦争の痕跡を残す大塚・天祖神社のイチョウ=東京都豊島区、(下)荒川車庫に並ぶ色とりどりの電車=東京都荒川区

 思わぬ発見もあった。天祖神社の境内では、イチョウの大木に焼け焦げた跡があるのに気付いた。太平洋戦争末期の1945年4月13日、米軍B29による城北大空襲で被災したという。戦後の開発にもかかわらず、神社だからこそ残った戦争の痕跡。日本はかつて戦争をする国だったことをまざまざと示している。

 沿線をぶらぶら巡るには、荒川線の1日乗車券400円が便利。荒川車庫(荒川区)へ行ってみれば、色とりどりの電車が並んで止まっているのが外から見えて、電車そのものの魅力も楽しめる。

 ☆美浦克教 共同通信社編集局企画委員

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