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鉄道雑誌とともに

2017/04/07

鉄道雑誌とともに

「旅と鉄道」創刊号と節目の「鉄道ファン」

 鉄道好きには乗り鉄、撮り鉄、模型鉄などいろいろな“テツ”があるとされるが、「読み鉄」というジャンルも存在するのではないか。時刻表をはじめ、専門書、エッセイ、ミステリー、旅ルポなど無数に枝分かれし、鉄道雑誌もこのカテゴリーに入る。

 わたしにとっては「鉄道ファン」「鉄道ジャーナル」「鉄道ピクトリアル」が子どものころから触れてきたなじみの雑誌でせっせと買い込んできた。書店で立ち読みしては好きな分野の「特集もの」があると購入し心躍らせながら自宅でじっくりと読んでいた。

 特集内容は多岐にわたる。新幹線、国鉄、JR、私鉄から新車案内、ライバル路線、ローカル線、歴史的遺構、短絡線、快速電車、時には競合するバスや航空機などよくぞ、こんな分野に着目するなあ、と感心する特集も多い。毎月上記雑誌が発行されるのだから、出版社も目を引く特集を組んでいるようだ。長い雑誌の歴史の中には同じような特集も組まれてきた。

 一時期、数百冊もあった雑誌だが、さすがに引っ越しのたびに段ボール箱に詰め、動かすのには限界がある。その上、どれも上質な紙でできているから重い。それで手放すのを余儀なくされてきたのだが、そうはいかず長らく持ち続けている雑誌はある。

 その一つが、「旅と鉄道」の創刊号だ。1971年11月発行のもので、季刊だった。「ディスカバージャパン」キャンペーン全盛時、ぼろぼろになりながらもずっと持ち続けている。

 車両や路線の紹介というより、旅を満喫する処方箋のようなものが記されている点で、ほかの雑誌との差別化を図っていたように思う。当時最長区間を走っていた特急「富士」のルポは秀逸な文章だった。

 それ以外に持ち続けているのは創刊100号などの「節目」ものや興味のある特集が載ったもの。「鉄道ファン」は100号以降200号、300号、400号と持ち続けた。




鉄道ファン創刊200号に載った「顔」のオンパレード

 この中で、度肝を抜いた特集は200号(1977年12月発行)で特集された列車を真正面から撮った「顔」のオンパレード。個性あふれる顔は当時の鉄道会社や路線を代表するものであふれている。もちろん今ではほとんどが現役を退いている。こんな顔が200号の発行時点は全国を走っていたんだな、と懐かしく思う。

 そのほかにも鉄道ファンの「地下鉄50年」、鉄道ジャーナルの「上越国境に架ける鉄路」などの特集が載ったものは処分できずにずっと持っている。一定の固定読者がいるからこそこれらの雑誌は発行されているのだろう。今も押し入れの段ボールには100冊近い鉄道雑誌が保管されている。

 ちょっと疲れた時にそっと開く古い雑誌。久しぶりに手探りで取り出したら2007年6月発行の鉄道ピクトリアルが見つかった。特集は「スイッチバック」。峠越えに限らず平地にも存在するスイッチバックの歴史や現状を丁寧に解説してある。当然のように読みふけってしまった。こんなことだから鉄道雑誌のバックナンバーを手放すのがどんどん難しくなっていくのだ。

 ☆共同通信 植村昌則

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