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日本酒 津々浦々

17年11月10日 17:36


【3134】彌右衛門 TAKUMAMAI2(やうえもん たくままい) 【福島】

福島県喜多方市 大和川酒造店
福島県喜多方市 大和川酒造店

【TT居酒屋にて 全15回の④】

 酒友のTと飲むことになった。Tの友人のS、N、Dも加わり、5人の飲み会。Nは利き酒師である。場所は、なじみのTT居酒屋。

「あづまみね 純米 無濾過生原酒」「あづまみね 純米吟醸 美山錦 無濾過生原酒 中取り」「東鶴 純米吟醸 さがの華 無ろ過 生」と飲み進め、4番目にいただいたのは「彌右衛門 TAKUMAMAI2」だった。特定名称酒の区分が非開示だ。それに謎のラベル。よく分からない酒だが、まずはいただいてみる。

 N 「酸味がすごい」
 D 「あ、本当だ」
 S 「酸味が強いですね」
 酒蛙「酸が非常に立つ。しかし、酸っぱいだけでない。旨みがあり、ジューシー」
 T 「特徴がなかなかあります」
 酒蛙「アプリコット的味わい。最初から中盤を経て余韻まで酸味」
 N 「本当においしいです」
 店主「生酛仕込みです」
 酒蛙「なるほど。この酸は乳酸菌によるものか。俺が知っている『彌右衛門』は、地味めで大人しい酒なんだけど、これはやんちゃだな」

 瓶の裏ラベルの表示は「植木屋限定販売(福島県会津若松市)、全量 夢の香使用(喜多方産高郷地区、生産者 齊藤琢磨)、原材料名 米(国産)・米こうじ(国産)、アルコール度数17度」。そして「彌右衛門×ヤマヨ(植木屋商店)×生産者齊藤琢磨」。

 これらから、齊藤琢磨さんが生産した酒造好適米「夢の香」を、大和川酒造店が使用して醸した酒を、植木屋商店が販売している酒、ということが分かる。しかし、特定名称酒の区分や精米歩合が非開示で、消費者に対しては不親切。以上の情報から判断すると、純米大吟醸、純米吟醸、特別純米、純米のいずれか、と推察される。

 植木屋商店のホームページを見ると、「酵母無添加生酛仕込特別純米無濾過1回火入れ原酒」と開示しており、精米歩合は55%。これらをラベルに明記すべきだ、と考える。食品成分表示の厳格化の流れにあって、消費者に必要な情報を与えないのはいかがなものか。

 植木屋商店のホームページは、この酒を以下のように紹介している。

「旧字体彌右衛門シリーズから2年ぶりとなります『タクマ米2』登場です。発売の経緯ですが、大和川酒造杜氏『佐藤哲野』氏、喜多方市高郷地区の農家『齊藤琢磨』氏、わたくし『白井與平』は喜多方で毎月開催しているDJイベント『DON'T ASK』のメンバーです。齊藤氏が栽培した酒米を大和川酒造が醸し植木屋が売るという企みで発売したのが2年前の平成27年。2年ぶりの第2弾となるのが今回の28BY酒です。
 特定名称等の表記は一切致しませんが、生酛仕込特別純米無濾過1回火入れ原酒になります。
 口に馴染む穏やかで柔らかな含み、徐々に感じる確信犯的な甘酸っぱい酸味が大変魅力的な口当たりです。ボディは大変まろやかで非常に軽快。旨味も充分感じながら一気に喉に流れていきます。一般的な日本酒の約3倍もある酸度、春先の緑ラベルにも通じる痛快さは最高です。火入れし約半年熟成もさせているので、常温・御燗でも味がドンドン伸びていきます。今期はお米の収量の関係で1.8Lで200本弱です。どうぞ宜しくお願い致します。
 商品名は栽培した本人の名を冠して『彌右衛門TAKUMAMAI』。アヴァンギャルドなラベルも前回に続き齊藤氏本人によるものです」

 使用米の「夢の香」(ゆめのかおり)は、福島県農業試験場が1991年、母「八反錦1号」と父「出羽燦々」を交配、育成と選抜を繰り返し品種を固定。2000年に命名、2003年に種苗法登録された酒造好適米だ。

 酒名「彌右衛門」は、大和川酒造店の代々の蔵元さんが襲名する名にちなむ。



福島 | 2017/11/10 | 17:36 | コメント (0) | コメントを書くコメント一覧 |


地方新聞社元記者。唎酒師。本籍・住所・年齢不詳。性別は男。飲んだことのない酒を飲むことと、ぬる燗が趣味。燗つけ器を、なじみの居酒屋に置いて、燗酒を楽しんでいる。酒席での「とりあえずビール」は、ビールにも酒にも失礼だ、といきなり酒を飲み始める。酸味のある濃い酒を好む。毎年、500種類以上の酒を飲んでいる。







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