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日本酒 津々浦々

17年09月17日 15:36


【3062】田酒 純米吟醸 彗星(でんしゅ) 【青森】

青森県青森市 西田酒造店
青森県青森市 西田酒造店

 なじみのうなぎ屋さんに飲みに行く。ありふれた地酒ではなく、店主の“隠し酒”をいただき、〆はいつものように、うな丼のゴハン半分。支払いを済ませ帰ろうとしたら、店主から呼び止められた。「これ、飲んでみてください。レアものです」

 瓶を見て仰天した。まっかっか! 地味めな味わいという印象が強い「田酒」の、これまでのイメージを覆す色。「田酒」は飲む機会が多い酒で、これまで13種類を当連載で取り上げているが、こんなド派手な色の「田酒」は初めてだ。後日、晩酌酒として自宅でいただく。

 上立ち香はサイダーのような爽やかさ。このような上立ち香は珍しい。含むと、酸と旨みが口の中でいきなりはじける。これにサイダー的香りが混じる。う~ん、超爽やか。さっぱりした口当たり。甘みも旨みもけっこうある。余韻は苦みがやや強い。生酒ではないが、爽やか感とシャープ感とフレッシュ感がある。そして酸が立っており、キレも良いので、まるで夏酒のようなタッチと味わいだ。

 それにしても、この爽やかな酒のボトルが暑苦しいまっかっかとは! 絶句。

「田酒」を名乗っているが、「田酒」の代名詞となっている特別純米とは全然違う。特別純米は、濃厚な旨み(コク)、すなわちマッチョな旨み(コク)があるが、今回の酒は適度な旨みで軽快感がある。また、「田酒」はさまざまな種類のものが売られているが、そのいずれもが、いわゆる“田酒DNA”(田酒グセ)を濃厚に持っている。しかし、今回の酒は“田酒DNA”が希薄だとおもった。

 瓶のラベルの表示は「原料米 彗星100%使用、精米歩合50%、アルコール分16度」。純米大吟醸のスペックだ。「彗星」(すいせい)は、北海道の酒造好適米。北海道立中央農業試験場が、母「初雫」と父「吟風」を交配。育成と選抜を繰り返し品種を固定、2006年に命名、同年に種苗法登録された、新しい酒造好適米だ。

 酒名「田酒」の由来について、蔵のホームページは、以下のように説明している。

「『田』はもちろん、酒の元となる米が獲れる田んぼを意味し、名前の通り、日本の田以外の生産物である醸造用アルコール、醸造用糖類は一切使用していないことを力強く主張した、米の旨みが生きる旨口の純米酒です。『日本酒の原点に帰り、風格ある本物の酒を造りたい』という一念で、昭和45年に昔ながらの完全な手造りによる純米酒の醸造に着手。その後、商品化までに3ヶ年を費やし、発売は昭和49年10月1日でした」



青森 | 2017/09/17 | 15:36 | コメント (0) | コメントを書くコメント一覧 |


地方新聞社元記者。唎酒師。本籍・住所・年齢不詳。性別は男。飲んだことのない酒を飲むことと、ぬる燗が趣味。燗つけ器を、なじみの居酒屋に置いて、燗酒を楽しんでいる。酒席での「とりあえずビール」は、ビールにも酒にも失礼だ、といきなり酒を飲み始める。酸味のある濃い酒を好む。毎年、500種類以上の酒を飲んでいる。







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