47NEWS >  47特集 >  日本酒 津々浦々 >  【2968】富久福 純米 michiko90 無濾過生原酒(ふくふく) 【茨城】

日本酒 津々浦々

17年07月11日 17:35


【2968】富久福 純米 michiko90 無濾過生原酒(ふくふく) 【茨城】

茨城県結城市 結城酒造
茨城県結城市 結城酒造

 休日の夕方、ふらりと近所のうなぎ屋へ。うなぎはもちろん美味しいのだが、酒がいい。定番酒はありきたりの地酒3種類ほどだが、店主の“隠し酒”が面白い。この場合の面白い、は特段意味のある言葉ではない。わたくしの興味をそそる酒が多い、ということだ。どんなルートで入れているのか興味のあるところだが、あえて聞かないことにしている。

 席につくと、なぜか“わたくし担当”になっている仲居さんが、店主の“隠し酒”を抱えて持ってくる。すっかりお約束のパターン。こうして目の前にあらわれたのは「富久福 純米 michiko90 無濾過生原酒」だった。

 結城酒造の酒は以前、B居酒屋で「結 特別純米 亀口直汲み 生酒」(当連載【1873】)を飲んだことがある。B居酒屋の冷蔵庫にはいつも、「結」が各種そろっているが、わたくしはまだ1種類しか飲んだことがない。全国的には「結」が著名だが、創業以来の銘柄で、地元の人たちに愛されている銘柄が、今回の「富久福」なんだそうだ。さて、いただいてみる。

 アタックがすごい。上立ち香がほのかなので、前触れもなく、いきなりドカンとアタックが来る感じ。甘み・旨み・酸味が一体となって、ドカンと迫ってくる。

 デザートスイーツの風味をおもわせる甘酸っぱさ。濃醇で甘旨酸っぱい酒は近年、非常に多くなってきており、一種のトレンドとなっているが、この酒の甘酸っぱさは独特で個性的。甘みがユニークだから、甘酸っぱさが個性的なのだろうか。

 濃醇で甘旨酸っぱいが、キレが非常に良い。潔いほどのキレの良さ。甘旨酸っぱさを感じたあと、あっという間に、すっといなくなる。酸があり、キレが良いので、さわやかな飲み口。フレッシュ感もある。余韻は甘み。

 なんの気なしに飲んだのだが、この文章を書くにあたり、撮影した裏ラベルの写真を見て仰天した。裏ラベルには以下のように書かれていた。

「兵庫県産山田錦(特等米)をほとんど磨かずに醸しました(精米歩合90%)。ロックからお燗まで幅広い温度帯でお楽しみくださいませ。しっかりとした味わい、そして米本来の旨味を感じていただけますと幸いです。酵素力の高い麹を使用しております」

 なんと精米歩合が90%のお酒だったのだ。コメの外側を10%削り、内側の90%を生かして醸した酒だったのだ。衝撃だった。ごはん用のコメの精米歩合は約92%と言われる。近年、低精白米による酒造りがよく行われているが、80%が主流。90%とは驚きだった。飲んでいて90%精白とは全然感じなかった。90%精白なのに、驚くほど完成度が高かった。

 裏ラベルの表示は「全量兵庫県産山田錦、アルコール分16%、精米歩合90%」。

 酒名の「michiko」は杜氏・美智子さんのこと。裏ラベルには「美智子醸」と書かれている。飲んでいるときは酒名の「90」の意味が分からなかったが、精米歩合90%の意味だったのだ。



茨城 | 2017/07/11 | 17:35 | コメント (0) | コメントを書くコメント一覧 |


地方新聞社元記者。唎酒師。本籍・住所・年齢不詳。性別は男。飲んだことのない酒を飲むことと、ぬる燗が趣味。燗つけ器を、なじみの居酒屋に置いて、燗酒を楽しんでいる。酒席での「とりあえずビール」は、ビールにも酒にも失礼だ、といきなり酒を飲み始める。酸味のある濃い酒を好む。毎年、500種類以上の酒を飲んでいる。







     *コメントがページに反映するまで10分ほどかかることがあります