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日本酒 津々浦々

17年05月19日 15:56


【2897】菁莪 純米吟醸 亀の尾(せいが) 【山形】

山形県東田川郡庄内町 佐藤佐治右衛門
山形県東田川郡庄内町 佐藤佐治右衛門

【日本酒研究会月例会 全6回の②】

 異業種の酒飲み人が月1回、M居酒屋に集う日本酒研究会。研究会とは名ばかりで、単なる飲み会。ちょっとカッコつけて研究会だ。今回は、メンバーのB、Kが仕事のため欠席、5人での開催となった。

 店主がトップバッター「清泉川 大吟醸 金の蔵」に続いて持ってきたのは「菁莪 純米吟醸 亀の尾」だった。山形県のお酒で、これもわたくしにとっては初めての蔵。M居酒屋の店主は、わたくしが飲んだことのない蔵の酒を一生懸命に探し、用意してくれている。ありがたい、感謝感激だ。さて、いただいてみる。

 酒蛙「さっぱりしている」
 FM「セメダイン香(ベンゼン環芳香族系の芳香)を感じる」
 酒蛙「すっきりして、余韻に苦み。悪くないね」
 FM「強烈な味わいの酒じゃない」
 酒蛙「酸が奥にしずかにあり、これが全体のアクセントになっている。いいよ、この酒。飲んでいると、だんだん酸が出てくる。厚みは中庸。おいしい。愛想がないけど、飲み飽きしない酒質だ。宴会酒に最適だ」
 FM「うん、ずっと飲み続けられるね」

 瓶の表ラベルに「山形県余目町産 亀の尾100%使用」、裏ラベルには「山形県庄内町産 亀の尾100%使用」と書かれており、町名が違う。調べてみたら、2005年(平成17年)7月1日、 余目町と立川町の合併により現在の庄内町が発足したとのこと。精米歩合は55%。

 この蔵の主銘柄は「やまと桜」。

 酒名の「菁莪」の意味について、デジタル大辞泉は、以下のように説明している。

「『詩経』小雅・菁菁者莪の『菁菁たる莪は材を育するを楽しむ、君子は能(よ)く人材を長育す』から。『菁』はしげるさま、『莪』はアザミの意》人材を育成すること。英才の育成を楽しむこと。また、多くの人材・英才」

 原料米の「亀の尾」は、1893(明治26)年に世に出た、ごはん用のコメの品種。食味が良いということで明治時代、飯米用に全国で最も多く栽培された。しかし、病害虫に弱く、稲が倒れやすいという欠点があり、昭和のはじめには完全に姿を消した。

 しかし、幻のコメ「亀の尾」は半世紀後によみがえる。その立役者は、新潟県長岡市の久須美酒造6代目当主・久須美記廸さん。「亀の尾で造った酒にまさる酒はない」と聞いた久須美さんは「そのコメでぜひ酒を造りたい」とロマンをふくらませ、「亀の尾」探しを始めた。まず、茨城県筑波の農水省種子センターから種籾を分けてもらった。この種を植え、1980(昭和55)年の秋には、10本の稲穂ができ、これから1,500粒の種ができた。翌81年、これをもとに963本の苗をつくり、30kgを収穫。さらに翌82年、9人で「亀の尾生産組合」をつくり、1ヘクタールに作付けし、4,8トンを収穫するまでになった。そして83年、ついに、同蔵の「清泉 純米大吟醸 亀の翁」が誕生したのだった。

 さらに、このコメ作り・酒造り物語が、漫画「夏子の酒」(尾瀬あきら作)のモチーフとなり、そして1994年、連続テレビドラマ「夏子の酒」(フジテレビ系)が放送された。



山形 | 2017/05/19 | 15:56 | コメント (0) | コメントを書くコメント一覧 |


地方新聞社元記者。唎酒師。本籍・住所・年齢不詳。性別は男。飲んだことのない酒を飲むことと、ぬる燗が趣味。燗つけ器を、なじみの居酒屋に置いて、燗酒を楽しんでいる。酒席での「とりあえずビール」は、ビールにも酒にも失礼だ、といきなり酒を飲み始める。酸味のある濃い酒を好む。毎年、500種類以上の酒を飲んでいる。







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