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<24> 太陽が落ちてくる

【3日目・オクラホマ州タルサ~オクラホマシティ】

 明るいムードの漂う都会、タルサは、広々として気持ちのよい街だった。植生も変わってきて、だんだんと南国に近づいた気がする。
 薄い緑の中を車は進んでいき、道は再び悪路になった。

 この辺りは、オーザックトレールと呼ばれているらしい。
 さびた鉄橋は、この車が走っているうちに落ちてしまうのではないかと思えるほど、くたびれている。でも、長く、でこぼこの道を走っていると、苦痛ではなくなってくる。
 乗り味に慣れてきたのか、普通の舗装路を通ると、なんて滑らかなんだろうと思えてくる。でこぼこも悪くないな、と思い始めた自分もいる。

 ガタゴト、ガタゴト。
 誰もいない平原を、ホコリを巻き上げながら進む僕らの車を、草原の馬が見ている。花が咲いている。
 それだけで心が満たされる。

 午後5時を過ぎると、夕日が赤みを増してきた夕方
 オクラホマの太陽は、どこか違う。
 昼間からそう思っていたのだが、夕刻のお日さまは格別だ。土が赤茶けているところに、赤い太陽が落ちてくるものだから、大地全体が赤く発熱しているように見える。

 かつて、文豪スタインベックは小説「怒りの葡萄」で、このオクラホマの太陽を「爛熟した新しい血のように赤かった」と表現した。その通りの大地の過酷さを見た思いがした。

 太陽が落ちてくる。
 もっと速く西へ動けば、日没を遅らせる、いや、また太陽が上がるのだろうか。
 そんなばかなことを真面目に考えながら、車を進めていく。

 赤い光は僕らのほおも染める。だんだん、この旅に、このルートに僕らも溶け込んできた。
 ダイヤモンドのように輝く一瞬の日没を味わった後、どちらからともなく言った。
 「今日はこのぐらいにして、宿を探そうか」

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コールマン ブレーン カトゥーサ タルサ
夕方 エルリノ ダート 博物館
博物館中 祭 子ども

旅行記
旅行記

プロローグ

はじめに

イリノイ州

<1> 出だしから迷子
<2> 小さいのが、いいです
<3> 名物食堂
<4> 縦列駐車マイスター
<5> 序盤は飛ばす(ここから1日目)
<6> ナビが働かない
<7> 高速のわな
<8> ゲストブックの熱い言葉
<9> 合衆国のヒーロー
<10> 生きる理由
<11> 犬の歓迎

ミズーリ州

<12> トムとハックの川(ここから2日目)
<13> カメラを池に
<14> トラック野郎の味
<15> ドライブマナー
<16> クルマの神が
<17> 管制官ユキ(ここから3日目)
<18> 朝焼け浴びる大画面

カンザス州

<19> わずか21キロ
<20> 愛すべきキャラ

オクラホマ州

<21> 伝説のスター
<22> 巨大トーテムポール
<23> うれしい言葉
<24> 太陽が落ちてくる
<25> 孤独と自由(ここから4日目)
<26> マザーロード
<27> 綿畑と通行止め

テキサス州

<28> 58人の村
<29> 突き刺さる車
<30> ちょうど半分(ここから5日目)
<31> 元気の数値

ニューメキシコ州

<32> 車で歩く
<33> 青の泉
<34> 永ちゃんとアメリカ
<35> 親子の像
<36> ぶつけられた!(ここから6日目)
<37> 不吉な電子音
<38> 「通報されたいか」
<39> デッドエンド

アリゾナ州

<40> しつこい泥土
<41> 取り囲まれる
<42> おせっかい(ここから7日目)
<43> いいことが起きそう
<44> 隕石の跡
<45> 岩との会話
<46> シュウちゃんのこと
<47> 絶交と別れ
<48> 嵐の結婚式(ここから8日目)
<49> 飽きない夢
<50> 「カーズ」の町
<51> 陽気男
<52> 心のタイムスリップ
<53> 残る不安
<54> 手のひらに汗(ここから9日目)
<55> ガンマン登場

カリフォルニア州

<56> 白い恐怖
<57> 赤の鮮烈
<58> 映画の舞台
<59> 木賃宿
<60> ビリー・ザ・キッドの携帯電話(ここから10日目)
<61> 1号店
<62> ゴールの手前(ここから11日目)
<63> 東洋人の町
<64> 完走の意味
<65> 大平洋は青かった
<66> 幸せな光景

エピローグ

おわりに