10年03月13日 15:31
3月13日(124日目:あと6日)「隊員に聞く⑤」研究室飛び出し隕石探査 採取の635個携え日本へ
南極で隕石を採取した海田隊員(極地研提供写真)
「隕石(いんせき)を見つけるまでは帰りません」。昨年11月の南極出発前、同僚の前でこう言い切った。第51次南極観測隊の隕石探査チーム、海田博司(かいでん・ひろし)さん(40)=国立極地研究所、愛知県稲沢市出身。今回の探査で採取した635個の隕石とともに、南極観測船「しらせ」で日本に向かっている。
氷点下10度、風速15メートルの氷の大地。昭和基地の西約600キロにあるセールロンダーネ山地で、海田さんら探査チームは約1カ月間、スノーモービルにまたがり隕石を探し続けた。
地吹雪の中を朝から夕方まで約7時間、チーム7人が逆V字になりながら目を皿のようにして氷面を見つめ続けた。遠くに見える小さな黒い点。近づくと表面が焦げたような色の石。小指の先ほどの小さな隕石だ。周りにも数十個の隕石が散らばっていた。「隕石シャワー」だ。この日は〝大漁〟だった。
隕石は地球上にほぼ均一に落下しているが、地表が白い氷で覆われている南極では、黒っぽい隕石は見つけやすい。さらに落下した隕石は氷とともに海方向に少しずつ移動、山脈でせき止められ、ふもとに集まることが多い。
以前は東大大学院で隕石を研究していた海田さん。隕石を研究室で分析していればいいと思っていた。
「南極に隕石を見つけに行かないか」。大学院生だった14年前、元南極観測隊員に声を掛けられた。「こんなチャンスはめったにない」。研究室を飛び出した。
前回南極に来た1997年―99年当時は、日本の隕石保有数は約1万3千個で世界一だった。しかしここ数年で米国に抜かれた。「数を競っているわけではない」と海田さん。しかしサンプルが多いほど貴重な隕石の割合も増え、研究に役立つのも事実だ。
「持ち帰った隕石から太陽系の誕生、惑星の形成のメカニズムを明らかしたい」。何度でも現場を訪れるフィールドサイエンティストは、来年以降も南極で隕石を探し続ける。
夜食の共用カップラーメン遂になくなったとの情報。ある部屋で多くを保有しているとのうわさもあり、暴動の恐れも。
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