|
C型肝炎ウイルスの検査 肝がん死亡率減少目指す |
国の肝炎対策の一環として、今年4月から老人保健法による住民健診や、政府管掌健康保険の生活習慣病予防検診などに、C型肝炎ウイルスの検査が導入された。自覚症状がないことも多い慢性肝炎の段階で感染者を掘り起こし、適切な治療に結び付けることで、肝硬変や肝がんへの進行を食い止めようとする狙いだ。
▽新たな発生はまれ厚生労働省によると、感染者の血液などを通じてC型肝炎ウイルスが人に感染しても、けん怠感などの自覚症状がみられるのは2―3割にすぎず、気付かないうちに慢性の炎症が続き、肝硬変、肝がんへと進行する。 国内では、肝がんの発生は50歳代後半から60歳代前半がピークだ。 吉澤浩司・広島大医学部教授(疫学)らが同県内の献血データを調査したところ、2000年時点で60歳代以降の人の感染率は6%を超えていた。一方、20代以下の感染率は0・1―0・2%と低かった。 「92年以降は献血時の検査が適切に行われ、輸血による感染はほとんどなくなった。社会全体の衛生環境が向上したことも加わり、新たな感染者の発生は非常にまれになった。既に感染し、気付かないままの持続感染者を見つけ出すことが、肝がん死亡率減少につながる」と、吉澤教授。 ▽正しい検査を1回 検診は40歳を起点に、45歳、50歳と、5歳刻みで70歳までの各年齢に達した人や、過去に肝機能異常を指摘されたことのある人らを対象に、原則として1回受けてもらう。 肝がんの発生がピークになる年齢の10年以上前に感染者を見つけ出すと同時に、感染してからがんになるまでの期間が高齢者になるほど短くなることも考慮しての仕組みだ。 厚労省の指針によると、検査はまず、血液中のC型肝炎ウイルスの抗体検査の測定値から陽性か陰性かを判定。陽性の人についてはさらに検査値の高さから「高」「中」「低」の3群に分別する。
「中」の群では、さらに遺伝子の一部を増やしてウイルスの有無を調べる核酸増幅検査で陽性と陰性を判定。抗体検査で「高」の人と、核酸増幅検査が陽性の人に「ウイルスに感染している可能性が極めて高い」とする検査結果を通知する。これ以外の人は「感染していない可能性が極めて高い」と判定される。
▽適応あればIFN 検診はここまでだが、感染が分かれば、医療機関でさらに詳しい検査を受け、ウイルスのタイプや量、肝炎の進行度などを把握。その上で、注射薬のインターフェロン(IFN)や、IFNと経口薬のリバビリンを併用した治療などがスタートする。 吉澤教授は「早期発見・早期治療で肝がんによる死亡は減らせる。対象になってい る人は積極的に受診してほしい」と話している。 +font> |