光で体の内部を見る
OCTの利用広がる
  
     光を使って超音波診断装置のように体の中を見る。それが「光干渉断層計(OCT)」と呼ばれる最新の装置だ。眼科領域で使われ始め、網膜の奥の構造をリアルタイムで調べる装置として利用されているが、最近は肺や消化器の前がん病変や早期がんをいち早く探知するために研究が進められている。  
                       ▽内部を顕微鏡のように
     眼底疾患の研究・治療では国内のセンター的存在になっている群馬大医学部眼科学教室(岸章治教授)では、1997年4月、日本で初めてOCTを導入。  「網膜の中心部で、最も大事な黄斑(おうはん)部の断面を見ることができるようになった。浮腫ができたり、穴があいたりする病変の層状構造が見て取れ、病気の進展や治療の効果が詳細に分かるようになった」と岸教授は話す。
  検査も簡単で、眼底検査のように、装置の前にあごを乗せて目をあけているだけだ。近赤外線は透明な水晶体を通って網膜に当たり、その内部の構造を浮き彫りにする。  体の内部に入った近赤外線は当たる組織によって、時間的な遅れが出たり、強さが異なって反射して戻ってくる。これを干渉させることで断層像が得られ、画像上では反射光が強い所が赤、弱い所が青で表される仕組み。
  光(近赤外線)は超音波よりも波長が短いので、その分、5-10倍ぐらい分解能が高い。現在10-20μm(1μmは1000分の1mm)の判別が可能だ。  
 ▽高い分解能
   一方、OCTを応用して気管や気管支の病変を調べようとしているのが、東京医科大外科第一講座(加藤治文教授)。
  目の場合と異なり、体内の奥深い所で使うため、内視鏡の先端から光ファイバーのようなプローブ(直径1mm)を出して、気管支の壁の内部を調べる。  装置は旭光学工業が米国のライトラブ・イメージング社と共同開発。近赤外線は先端から真横に出され、360度回転するので、画面では管の断面が丸く見て取れる。
  現在、内視鏡検査で気管支に病変を認めた人などを対象に、OCTを用いた試験的な検査を行っている。  加藤教授は「正常な部位は層構造が見えるが、異常な部位でははっきりしないようだ。今後、内視鏡所見や病理検査結果と照合しながら、臨床応用に向けて研究を進めたい」と話している。

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