正しい情報と圧力ない決断
生体肝移植に不可欠
提供の河野太郎議員
  
     信州大病院(長野県松本市)で4月、C型肝炎から肝硬変になった河野洋平元外相(65)に、長男の河野太郎衆院議員(39)の肝臓の約3分の1を移植する生体肝移植が行 われた。5月17日から公務復帰した太郎氏に、提供者(ドナー)になる決断や経験に基づく意見を聞いた。  
 ―なぜ提供を。
  「7年前に母をがんで亡くした時は何もできなかったので『できることをやるしかない』と、あっさり決断した」
 ―移植の知識は。
  「1997年の臓器移植法案の審議で勉強していた。移植に関し、今でもめちゃくちゃな情報が出回っている。ドナーも免疫抑制剤をのみ続けないといけない、髪が抜けて大変、など。正確な情報がないと、生体肝移植を考えてみようというところまで、たどり着けない」
 ―決意後は。
  「信州大の先生に家族全員で話を聞いた。肝臓は再生するが、(2つあるうち1つを提供する)腎臓だと、びびったかもしれない」
 ―反対されなかったか。
  「女房はおやじの面倒を見て状況をよく分かっており、やめたらとも言えない。インターネットで集めた文献を読み、ドナーを経験した人を紹介してもらい話も聞いた。最後は納得したというより、あきらめたと思う。ちょうど妊娠が分かり、ひどいつわりだった。辛い思いをさせた」
 ―手術は順調だった。
  「おやじは顔色が良くなり声も出るようになった。劇的に回復した。私は2晩、痛みと吐き気で眠れなかった。『こんなに痛いんだったら、やんなかったよ』と言ったくらい」
 ―政治家親子の移植と注目を集めたが。
  「肝臓提供するよう姉を説得してほしい、というメールが来た。冗談じゃない。『政治家でもドナーになるのだから、おまえも』というプレッシャーなしに決断できるようにしないといけない。提供したら親孝行かもしれないが、提供しないのは親不孝ということではない」

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