定着した臍帯血移植 世界第2位の実施数
  
    へその緒や胎盤に残った赤ちゃんの血液を、白血病などの治療に利用する臍帯血 (さいたいけつ)移植。骨髄移植と同じ造血幹細胞移植の一種で、国内初の移植から 5年がたつが、今や日本は米国に次ぐ世界第2位の実施国となった。

▽世界の4分の1
  国内9カ所の臍帯血バンクが保存する臍帯血は7500本を超えた。移植数は2月 末現在で576件で、世界の全症例の約4分の1に当たる。  神奈川臍帯血バンク会長を務める西平浩一・神奈川県厚木保健所長のまとめでは、 昨年10月現在、再発や拒絶反応なども起きず、順調に過ごしている「無病生存率」 は移植後1年が40・9%、2年で35・1%、3年で34・4%だった。  症例が多い急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病の3年無病生存率は、悪性度の 低いものや早期移植例でみると46%と64%。  

▽採取少ない造血幹細胞
  問題点は量が限られ、採取できる造血幹細胞も平均七億個と少ないこと。骨髄の幹 細胞に比べ増殖能力は高く、移植に必要な細胞数は患者の体重1kg当たり2000 万個以上と骨髄移植の場合の10分の1だが、それにも限界はある。  体が小さい小児への移植が多くなるが、西平所長は「患者の約30%は16歳以 上。最近1年間では44%に上る」と強調する。  移植細胞数別の成績では、1kg当たり4000千万個以上あった場合の3年無病 生存率は41%だったが、4000千万個未満では28%に落ちる。  移植成績を上げ、体重が重い成人にも対応するには、細胞数の多い臍帯血の確保が 必要だが、現在の保存血の半分近くが細胞数6億個未満だ。  

▽目標は年間500例
  臍帯血の保存数そのものが目標の2万本にまだ遠く及ばない。それに加え浮上した 質の充実の必要性に、保存血の細胞数の基準を現行の倍の6億個以上とすることも決 まった。  西平所長は「適合する臍帯血や骨髄が見つからないため、今は年間1000人以上 の患者が造血幹細胞移植をあきらめている。各バンクの内容をさらに充実させて年間 500例の移植を目指したい」としている。

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