クリーンルームを活用 化学物質過敏症治療で
  
 「さまざまな物質に囲まれている現代の日常生活。新築や改築した住居で起こる「シックハウス症候群」はよく知られるようになったが、環境中のごく微量の有害物質に敏感に反応するようになってしまう「化学物質過敏症」に苦しんでいる人はかなり多いようだ。  3年前、診療室に初めてクリーンルームを設け、同症の専門外来診療を行っている北里研究所病院(東京都港区)臨床環境医学センターには全国から患者が訪れ、今でも2-3月待ちの状態が続いている。  
▽頭痛や肩こりが
 坂部部長によると、一番多いのは、やはりシックハウス症候群。「新築やリフォーム、あるいは職場を移ったことが原因で、数カ月以内に頭痛や肩こり、疲れやすいなどの症状が出てくるケースが多い」。  同センターに来院する患者の7-8割は女性で、20-50代が多い。  「問診では患者さんの話をじっくり聞いて、これまでの経過、今の症状、実際の環境の変化が矛盾なく一つの線で結べるかをよく調べる」と坂部部長。  シックハウス症候群ならば、家や職場の内部に有害物質が出てくるので、外出したり、職場が休みの週末には体調が改善するはずだ。
▽少ない量にも敏感に反応
  化学物質過敏症は、同症候群などがさらに進んだケース。  極めて少ない量にも敏感に反応するようになり、自律神経機能障害を中心として、けん怠感や頭痛、めまい、肩こりなどの体調不良を訴えるようになる。急性の症状としては、のどの痛み、目がチカチカ、冷や汗、手足の先が冷たくなるなど。  症状が単なる精神的な症状でないことを確かめるために、瞳孔(どうこう)検査や眼球運動検査などの神経機能検査が行われる。  実際の患者は①症状はないが、室内でホルムアルデヒドなどが測定され、心配で来た人②逆に測っても出ないが、その場所にいると胸が苦しくなったり、眠れないなどの症状に悩んでいる人③自分では動くこともできなくなって、付き添いがないと来られない人―など、さまざまだ。
▽怖い思いこみ
  同部長は「本人の思い込みも怖い。しかし、陰に脳腫瘍(しゅよう)など他の重大な病気が隠されていないかのチェックも非常に大事」と指摘する。  クリーンルームは、原因物質を特定するための誘発テストが実施できる。小さなブース検査室で、コンピューターで空気中の化学物質濃度を制御して、患者の症状の変化や脳血流の変動を調べる。  坂部部長は「治療法としては代謝改善(解毒)療法や酸素を使った方法などがあるが、食生活を見直したり、化学物質を身の回りから遠ざけるだけでかなり改善することが多い」と話している。  

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