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「難治がん」とされる肺がんの治療に光が差し込んできた。がんの増殖メカニズムに照準を定めて狙い撃ちする 「分子標的治療薬」 が続々と開発されているからだ。がんの悪性化と転移の阻止が主な目標だが、従来の抗がん剤とは異なって副作用が少なく、長い期間効果が持続する。肺がんの新薬 「ZD1839(商品名、イレッサ)」の発売は間近だ。 ![]() ▽がんが縮小する 現在、世界中でかなり多くの分子標的治療薬が開発され、治験が進行中で、今後のがん治療に大きな期待が寄せられている。 中でも最も期待が持たれているのが肺がんで、日本でも早い段階から、がんが縮小するなどの効果が見られていた。 肺がんは、日本では1998年に、がんの死亡者数でトップとなり、死亡者は年間5万人以上。5年生存率は15%に達しない。治療が非常に難しいがんだ。 近畿大医学部第四内科 (呼吸器)の福岡正博教授は「肺がんは、発見しにくく、見つかった時には約80%が転移していて手術ができない」と話す。 肺がんの治療は、主に抗がん剤が使われてきたが、大部分の肺がんは抗がん剤が効きにくく、生存期間の延長はなかなか望めなかった。 ▽2年前から治験 抗がん剤が効く場合でも、がんとともに体の正常細胞をたたいてしまう問題がある。また、いったん抗がん剤を使ったあとは、「ほとんど何も効かなくなる」(同教授)という。 このような、ほかに手の施しようがないケースで、2年前からZD1839の治験が行われた。 この薬は経口薬で、悪性の肺がんなどで過剰に発現している「上皮細胞増殖因子」の働きを阻害する作用を持つ。 これまでの治験で、約20%に、「効果」(がんが消失、または50%以上の縮小が4週間以上続くこと)が見られた。福岡教授は「薬が効く期間も長い。“効果”に加え、がんがそのまま大きくならない“不変”を合わせると60%になる」と指摘する。 ▽予想を上回る効果 理論的には「がんの増殖を止める」だけのはずだったが、がん細胞の消失など、 予想を上回る効果があったことになる。 福岡教授は「治験は末期の患者が対象だったが、もっと早期の人にやれば、消失例も増えるのではないか。抗がん剤や手術と組み合わせることもできる。“夢の薬”ではないが、治癒率を上げる可能性は十分あると思う。分子標的治療薬の出現で、がん治療に新たな大きな戦略が加わった。画期的なことだ」と話している。 |