治療する?しない?未破裂の脳動脈瘤 日本で調査進む

  
「脳ドック」 が普及するにつれて、 未破裂の脳動脈瘤(りゅう)の発見が増えている。 破裂すると、くも膜下出血を起こすため、これまでは未然に防ぐ目的で、クリップで留めてしまう脳外科手術などが行われてきた。しかし、 最近になって、破裂する確率は予想外に低いとの研究結果も出て、見つかった脳動脈瘤をどの段階で治療すべきか、論争が続いている。
▽結構多い脳動脈瘤
 脳動脈瘤を持っている人は結構多いらしい。東大医学部脳神経外科の森田明夫助教授は「100人に5人ぐらいは持っているようだ」と話す。  しかし、脳動脈瘤は破裂するとほぼ100%くも膜下出血を起こす。くも膜下出血は約半数が死亡するか、こん睡状態となり、社会復帰できる人は3人に一人という怖い疾患だ。  日本では、くも膜下出血を未然に防止しようと脳動脈瘤の治療 が行われてきた。
▽破裂は少ない?
 ところが、98年、米医学雑誌に「脳動脈瘤が破裂する確率は非常に低い」との報告が発表され、医療関係者に衝撃を与えた。  報告は、欧米人約1500人を対象にした調査結果で、直径10ミリ未満の脳動脈瘤が破裂する確率は、くも膜下出血などの既往症のない人で  年間0・05%に過ぎないと指摘。既往症のある人でも同0・5%で、若年でなければ10ミリ未満のものは治療せず、経過を見るべきだと結論づけた。
▽対応はまちまち
この報告を受け、日本脳神経外科学会は日本人を対象にした調査の実施を決め、東大医学部脳神経外科を事務局に、99年から調査を開始、昨年年初めからは  全国の施設で扱ったすべての脳動脈瘤の登録・追跡調査が進んでいる。  昨年9月末で360施設が1563人の患者を登録済み。このうち、動脈瘤の大きさは直径4ミリ以下が半数近い46%、5-6ミリが25%、7-9ミリ15%、  10ミリ以上14%。  発見のきっかけは、頭痛やめまいなどによる精査が46%、脳ドックは14%などとなっている。  「5ミリ未満は通常、手術しないという所は34%だけ。施設によって治療方針がかなり異なっているのが分かる」と森田助教授。  2003年末には年齢、大きさ別などのデータがそろってくるという。  今見つかった人はどうしたらいいのだろう。同助教授は「5-10ミリがグレーゾーン。年齢や動脈瘤の場所などにもよるが、7-8ミリで50代の若さなら、  治療を勧めるだろう。きちっと医療できる所で診断を受け、なるべく多くの専門医の意見を求めた方がいい」と話している。
   未破裂脳動脈瘤の調査に関する一般向けのホームページはhttp://ucas-j.umin.ac.jp/home.html

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