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心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞につながる動脈硬化の進み具合を、腕の血管で簡単に診断できる超音波画像装置が登場した。血管の直径を安静時と血流を5分間止めた後で比較することで、動脈硬化の進行を反映する血管内膜の機能の度合いが分かる仕組み。頸(けい)動脈で膜の厚みや狭窄(きょうさく)を見る超音波検査に比べ、早い段階で診断できるのが特長という。
▽7%あれば正常
検査では、空気圧で腕を圧迫し血圧測定でも使うカフを、上腕か下腕に巻き血流を遮断。5分後にカフを緩めて血流を再開させ、ひじの関節に近い部分の動脈の内径を、プローブ(端子)のセンサーから出る超音波で測定する。
この動脈の安静時の内径は、男性が約4ミリ、女性は約3ミリ。装置を開発した医療機器メーカー、ユネクス(名古屋市昭和区)によると、血流再開後に7%以上拡張すれば動脈硬化はなく、数値が低いほど動脈硬化が進んでいると判断できる。
血流依存性血管拡張反応(FMD)検査という手法で、一見、血管の弾力性を調べているようだが、装置開発に協力した防衛医大の高瀬凡平助教授(医療工学)は「血管内膜の機能低下が分かる」と説明する。
▽血管拡張物質
内膜には①一酸化窒素などの刺激物質を出して血管を拡張する②血の塊である血栓を予防する③コレステロールがたまって盛り上がるプラークを阻止する―の3つの働きがある。
これらの機能の低下は動脈硬化の初期症状であり、FMD検査は血管拡張機能を見ているのだという。「血流を止めるとその先が酸欠状態になり、再開すると酸欠を解消しようと血流が増加、その刺激で内膜から血管拡張物質が出て血管が広がる。その様子を超音波で解析する」(高瀬助教授)仕組みだ。
FMD検査自体は、1990年代前半から行われてきた。しかし「プローブを血管に正しく向けて持ち続けるのが難しく、検査する人によって数値にばらつきがあった」と高瀬助教授。プローブが傾き超音波が血管に斜めに当たっても、直径は正しく測れない。
装置ではプローブをアームで固定。超音波センサーを2個にして、それぞれのセンサーと血管との距離を検出することで、プローブの傾きが分かり、最適な位置に当てる操作方法も画面に示される。
「従来は表示データをビデオに撮って解析していた」(高瀬助教授)のに対し、心電計と連動させ心拍ごとに直径をリアルタイムで表示、記録できるのも強みだ。

▽妊娠中毒症にも
加齢ドックなどに普及してきた頸動脈の超音波検査は、血管の膜の厚さや、盛り上がったプラーク、狭窄率を調べる。頸動脈は血管の中で動脈硬化の症状が比較的早く出るとされるが、高瀬助教授は「動脈硬化の結果を見ており、FMDの方がより早い段階の変化が分かる」と言う。
またFMD検査は「禁煙していた人が、たばこを一本吸っても分かるほど高感度」(高瀬助教授)。血流を遮断するので指先が一時的にしびれることはあるが副作用はないといい「血管内膜の機能異常が原因とされる妊娠中毒症の早期発見にも応用できる可能性がある」と期待している。
この超音波画像装置「UNEXEF(ユネクスイーエフ)」はこれまでに、研究用も含め大学病院を中心に十数台導入されているという。導入病院の問い合わせはユネクス、電話052(883)0660まで。
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