自宅で治すのが原則
こじらせると怖い風邪
うがいと手洗いで予防

 風邪は万病のもと、こじらせたら大変。一段と冷え込みが増す今日このごろ、風邪をひかないよう、うがいと手洗いを心掛けよう。
 風邪の症状は微熱や鼻水、のどの痛み、せきなどで比較的軽い。大部分はライノウイルスやコロナウイルス、アデノウイルスなどのウイルスが上気道(鼻からのどまで)粘膜にくっついて感染、炎症を起こすために起こり、総称して「風邪症候群」と呼ばれている。
 ▽年間3-4回
「成人で年間3-4回、風邪症候群にかかる。通常は自宅療養で自然に治癒する」と 川崎医大(岡山県倉敷市)呼吸器内科教室の松島敏春教授。
 同じウイルスでもインフルエンザの場合は高熱や全身けん怠感、筋肉痛など全身症状が激しく、風邪とはかなり異なる。新型肺炎(SARS)はコロナウイルスが“変身”し、全く異なる新種ウイルスになったものだ。
 「今のところ、風邪のウイルスに有効な薬は存在しない。軽い風邪の人はなるべく自宅で療養して治してほしい」と同教授。ただ、小児は成人と違って症状が急に悪化することもあるので注意が必要という。
 「熱は体を守るための免疫反応。熱は病気と思っている人が多いかもしれないが病気ではない。せきも、たんを出すためのもの。粘膜細胞から出る分泌物は、細菌が育つ培地になりやすいので、それを排出していると考えた方がよい」  このため、熱があるからといって、市販薬などでむやみに下げないようにすることが大切だ。
 ▽自覚症状に注意
 松島教授は「しかし、熱でご飯が食べられないとか、けいれんが起きたとか、せきで夜眠れないなど症状が強くて困る場合には、対症療法だが薬で抑えてもよい。薬は常に害の側面を持っているので、困らないなら辛抱することも大事」とアドバイスする。
 病気へのかかりやすさは、病原微生物の感染性の強さに関係している。感染性が強いインフルエンザウイルスでは、健康な人でもかかってしまうが、風邪のウイルスの場合、感染性は強くないので、かかるのは、その人の体力が落ちたときなどが多い。
 しかし、自覚症状が強い場合は用心が必要だ。普通の細菌は粘膜を侵さないが、インフルエンザウイルスなどで粘膜がやられていると、そこに細菌がくっついて増殖し、感染が起こる。
 細菌感染の合併症が起きると、無色だった鼻水が黄色くなり、白かったたんも黄色くなる。へんとうも痛み出して、白や黄色く覆われたりすると細菌感染している証拠。細菌感染でうみが出ている状態だ。
 ▽抗菌剤が必要に
 そうなると、症状が悪化し、受診が必要になる。風邪のウイルスには抗菌剤(抗生物質)は効果はないが、細菌感染まで進むと、クラリスロマイシンなどの抗菌剤の投与が必要になるからだ。
 「風邪をこじらすとは、細菌感染に進むこと。実際には“この線を超えたら受診して”というポイントがなかなか難しいところがあるのも確か」と同教授。
 どの時点で細菌の感染が起きたかが問題だが、まず自覚症状によく注意する必要があるだろう。
 「風邪は万病のもと」と言われるが、その意味は2つあるという。
 松島教授は「1つは、風邪の後に肺炎など、いろいろな病気になりやすいこと。第2に、ポリオ(小児まひ)や肝炎などのウイルス性疾患や肺がんも最初は風邪のような症状を示すということ。最初は風邪と思っても、隠れた病気を見逃さないことが大事」と話している。
 

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