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牛乳などにわずかに含まれるタンパク質「ラクトフェリン」に、大腸ポリープの成長を抑える作用があるとする研究結果を、国立がんセンターがん予防・検診研究センターの神津隆弘室長と森永乳業がまとめた。腺腫と呼ばれる大腸ポリープは成長するとがん化すると考えられており、神津室長は「大腸がんの予防に役立つ可能性がある」と期待している。
▽毎日3グラムで縮小 
ラクトフェリンは、タンパク質に糖と鉄が結合した糖タンパク質で、母乳、中でも初乳に多く含まれている。唾液(だえき)や涙、牛乳の中にもあり、抗菌や免疫増強、鉄分の吸収調節などの作用が知られている。
神津室長らは、ラットを使った実験でラクトフェリンによる大腸がん予防効果が証明されていることから、臨床研究に着手したという。
臨床研究では、牛乳から分離、精製したラクトフェリン錠剤を使用。経過観察で問題のない直径5ミリ以下の大腸ポリープがある10-75歳の104人を①3グラム錠剤②1.5グラム錠剤③偽薬―の3グループに無作為に分け、1年間にわたり毎日飲んでもらった。
1年後のポリープの大きさは、偽薬を飲んだグループは平均6・0%、1.5グラムの錠剤のグループは同2・1%それぞれ大きくなっていたが、3グラム錠剤のグループでは同4・9%縮小していた。
▽NK細胞を活性化
ポリープが直径5ミリ以下だと中にがんが含まれる率は1%ほどだが、6―9ミリでは10%、10ミリ以上では20%と、ポリープが成長するとともに高くなる。がんの芽とも考えられる五ミリ以下のポリープの縮小傾向がみられたことは、ラクトフェリンによる大腸がん予防が期待できる可能性を示しているという。
さらに興味深いのは、3グラム錠剤のグループは、摂取開始後に血中のラクトフェリン濃度が上昇し、免疫が増強していることを示すNK細胞の活性が上がっていた点。どのような仕組みでポリープが縮小しているのか、今回の研究でははっきりしなかったが、NK細胞の活性と何らかの要素が複合して関与しているらしい。
神津室長は「今後、どの程度の摂取で縮小効果が出るのかを調べることが大切。人のほかのがんで同じような効果があるのかは、今のところ分かっていない」と話している。
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